42話
義武は円形講義室の席につき、真面目に授業を受けていた。
この学院の3年生である彼は受験生真っただ中で、ペンをくるくる回しながらもちゃんと勉学に励んでいた。
だから、当然先生に指されることもある。
彼は余裕たっぷりで立ち上がり、解答を指示された問題を鼻で笑い、わかるわけがないと、きっぱり言い切ったのだった。
そうして軽く笑いを取った後に指名された美少女が楼蘭。
彼女は彼と違ってぺラーっとパーフェクトな解答をし、彼に意味ありげな視線を送った。

そんな落ちこぼれ気味の彼と優等生な楼蘭がなぜか、放課後の図書室で二人っきり。
受験生でも目標のない彼は、闇雲に勉強なんてやってられないと愚痴ってダレ切っていたが、楼蘭は進学してから将来の目標を探せばいいとアドバイス。
しかし彼は納得せず、もっとやる気が出る解答を無茶ぶり。
だから楼蘭は照れながらも、自分と一緒に居続けるためなら頑張れるでしょと応援。
その答えを待っていた彼は顔を上げるが、彼女の父の許しを得るには一流大学への合格が必須。
そのために彼が頑張っていることを知っている楼蘭は、キスで感謝を伝えた。

彼女の楼蘭に教わりながら、机に向かい続ける彼。
頭を使い過ぎてへとへとになるほど頑張って問題を解き続ければ、添削を終えた楼蘭がパッと輝く笑顔で頑張りを労ってくれた。
優等生な彼女なりの考えで息抜きを提案した楼蘭から遊びに行こうと誘い、彼ももちろん快諾。
一時でも受験のプレッシャーから解放されながら、近未来都市の繁華街に繰り出した。
もっちりしたグルメを食べ歩いたり、華やか背景でプリクラを撮ったり、その写真に落書きする際にいちゃついたりと、若いカップルらしく無邪気に遊び倒していく。
続いてカラオケに入り、大盛り上がりの熱傷で歌いまくり大満足。
そして部屋を出る前に楽しかったねのキスを交わした。

外に出ても楼蘭ははしゃいで笑顔たっぷりだったが、ふとテンションが下がり、同じ大学に行ければ今と同じように遊べるのにと零した。
だから彼は、そのために頑張っている最中だろうと答える。
すると楼蘭は急に泣き出してごめんねと謝った。

そして、海外留学することになったと打ち明けた。
彼にとっては青天の霹靂なのは当然だった。
楼蘭と同じ大学に進むために頑張っていたハードスタディの必要性が薄れたのもそうだが、海外という遠さの衝撃。
国内でも勉強できるデザイナー志望の楼蘭だが、海外の系列大学で好成績を残して卒業すればそれがキャリアとなり、就職時にいい地位を用意されるのだそうな。
彼はもう何も言えず、留学期間が4年なのを訊き出した。
4年。
決して短くない、むしろ、若い時の4年は相当な長さ。
だが彼は残り人生60年として、そのうちの4年くらい待っててやると答え、彼女の悲しみを少しでも和らげ、自分にもたったの4年だと言い聞かせた。

そしてこれから遠く離れる二人は、忘れられない思い出を作るためにホテルに入った。




































