今や新ナーガラ伯になったアルクだったがさすがに護衛をつけては来れず一人でやって来たので、さっそくラティに不用心なところを指摘される。
だがそんなことはどうでもよく、アルクはラティの手首をがっちり掴み、怒鳴りつけた。
マハトが自分自身の理性を奪うなど聞いておらず、領主としてそれはあってはならないことだと捲し立てた。
こんなに怒るのはもちろん、ウェンヌを知らぬ間に犯してしまったからだ。
だがラティは挑戦的な微笑みを絶やさず、怒り狂う彼に不意打ちのキスをした。
彼は舌までは入れさせずに咄嗟に身を引いて距離を取る。
するとラティは、怒りが鎮まるならいくらでも身体を差し出すという言葉が真実であるのを示すため、いやらしく股を開いた。

アルクは勢いを削がれ、素直にマハトについて教えを請うた。
彼が心底参っているらしいのを察したラティは意地悪せず、頼みを聞き入れた。
祭壇の上の砂を魔法で操作したラティは、瞬く間に男女を模した二つの砂人形を作り上げた。
もちろん男人形がアルクで、女人形は彼の傍にいる女の代わりだ。
黒竜の加護を得たアルクはただ生きているだけでマハトが蓄積されていくらしく、そのマハトが彼の血を通して女性に伝わると、女性は媚薬を盛られたように発情し、彼を求めるようになり、ついでに魔力もパワーも増強されるのだという。
そこまではアルクも知っている知識で、ここから先が彼が知らされていないマハトについてだった。
マハトを発散せず溜めすぎるとアルクからフェロモンのように溢れ出し、血で繋がった女性は欲情してどうしようもなくなり、その回数も増えていくのだという。
その挙句、アルクも力に支配されて自我を失うのだ。
ただウェンヌの場合はこそこそアルクの血が染みついたハンカチをペロペロ舐めていたので、今回は一際興奮の度合いが強かったというわけだ。

ラティに言わせれば、アルクの体液は妙にテイスティな味わいだから、影響力も高いのだそうな。
さて、ではどうすればマハトの暴走を止められるのか?
アルクの問いにラティは、定期的な精の発散をすればいいと教えてあげた。
今まで溜めろと言われていたアルクは驚くが、今の彼なら少しくらい放出しても問題ないレベルに達していた。
ただオナニーや女性の手コキ等で出させてもらうのはありだが、挿入はしない方がいいと付け加えた。
そして、方法はもう一つあった。
今よりもっともっと侍らす女性を増やし、ウェンヌだけに影響が及ばないようにすれば放出されたマハトは分散されて女性たちに影響を与え、強く欲情させることもなくなる。
好きなだけ女性を虜にしてマハトハーレムを作れば、マハトは安定して暴走を抑えられるのだった。

ゴロツキから助けた縁で美乳給仕にある街へ連れてこられたセリーヌ。
そこの冒険者ギルドを訪れていたセリーヌが初めての場所に新鮮な気持ちでワクワクしていると、給仕ちゃんが中くらいの規模のギルドだと教えてくれた。
クエストの募集情報、獲得したアイテムの換金、仲間集めなど、目的に合わせて冒険者たちが集い、そこそこの活気に溢れていた。
ここには、給仕が働いている酒場の常連もいるらしい。
ともあれ、セリーヌをギルドに連れてきたのは会わせたい人物がいるから。
その相手はまだ来ていないようで、セリーヌは取りあえずどんな人間がギルドにいるのか見まわしてみた。
肩にごつい角をつけた鎧を着ているのは某国の騎士崩れ。
腕を組んでむっすりしているのは東国の武闘家。
チャラそうな司祭もいれば、珍しいドワーフまでいて、セリーヌはナーガラ領から出てすぐ新しい体験ばかりが続き、目を輝かせた。

その時、酒場でのトラブルを思わせる怒号が響いた。
2階にいたセリーヌが吹き抜けから下を覗いてみると、小さな魔法使いを男二人が取り囲み、ぶつかったことに激昂してイチャモンをつけていた。
ウィッチハットに丸眼鏡に杖のTHE魔法使い少女はガラの悪い男に絡まれても一切ビビらず、強気に相手の非を責めている。

セリーヌは酒場と同じように正義感のままに助けに向かおうとするが、給仕が先々歩く彼氏の腕を捕まえるように引き止めた。
そしてニヤつきながら、大丈夫だから見ていてと囁いた。



































