そうこうしているうちに小さな魔法使いは胸倉を掴まれてあっさり持ち上げられ、ドレッドヘアーに小ぶりの尻をいやらしく揉まれてしまった。
しかし魔法使いは悲鳴を上げたりするどころか、露骨に怒りを滲ませた。

杖を振って地上に降り立つと、それがしなりを持って液体状に形を変えた。
胸倉を掴んだ方の腹部で形を変えた杖の先が寄り集まったかと思うと、消防車の放水のように激しい水流となり、禿げ頭を吹き飛ばした。
ドレッドは遠慮なく魔法を使ったことを咎めたが、魔法使いは知ったことではないとばかりにドレッドに水魔法をお見舞いし、陸上での水中空中遊泳を体験させてあげたのだった。
一部始終を見ていたセリーヌがポカンとしている横で、給仕は自分がやったかのようにドヤ顔を見せていた。
これが水魔法。
セリーヌがそう零して驚きを表すと、給仕は会わせたい人とは何を隠そう、あの気が強いやり手魔法使いだと明かしたのだった。

一方、ギルドとは違い静かなものだったアルクが城主となったお城。
しかし、慌てているタミィが息を切らしてアルクを見つけると、静かな夜が緊張感に包まれることになった。

涙さえ浮かべているタミィの用件とは、前領主アノールの容態の変化だった。
アルクが駆けつけると、アノールの胸や顔には火傷の痕のように気味の悪い痣が浮き上がっていた。
専属魔法使いも青黒い痣の正体が何かは分からないが、単なる病気ではないだろうと当たりをつけた。
直後、のっぴきならない状態なのが間違いないかのように、アノールは吐血した。

アルクが手を握ると、父は息子の名を途切れ途切れに呼んだ。
しかし意識はないのか、専属魔法使いが治癒術をかけると少し穏やかな表情を取り戻した。
だが専属が言うように、ほんの気休めの処置でしかなく、根本的な治療にはなっていない。
なぜなら、おそらく何らかの魔力に身体を蝕まれているからだという。
魔力と言われても、アルクにはどうすればいいか分からない。
ともかく専属は見立てた感じ、このままでは余命半年が精一杯だと、残酷なる事実を突きつけたのだった。

感想
終末のハーレムファンタジア10話でした。
ウェンヌが無事で何よりですが、アウレリアを忘れてウェンヌに行きそうな気配もありますね。
最後に出てきたハーレム候補生のうち、ケモミミやカチューシャの子が気になります。
https://www.kuroneko0920.com/archives/56958


































