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87話

華麗なる動きで水野を翻弄した千歌は、隠し持っていた小さなナイフを振り切り、喉笛を切り裂いた。

 

しかし、完全に動脈を切断するには至らず、水野は首を押さえてちゃちな刃物で仕掛けてきたことを侮られたと思い、睨みつけた。

 

千歌はニヤニヤと余裕を見せながら、鍛えられないから急所は急所足り得るのだと言い返し、鮮やかにナイフを操って見せる。

 

 

柔道有段者の投げから抜けたことに、小夜子たちも相好を崩す中、水野は確かに海に落ちた千歌が船内に戻っているのを不思議に思うが、喉を狙われたとて一切怯まず、また襟を掴みにいった。

 

もちろん千歌はサッと躱して後退したが、すると水野は体勢を変えて蹴りにした。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

霧子は仁奈共々吹き飛ばされた相当な威力のヤクザキックを思い出し、思わず大きな声が出た。

 

圧倒的巨躯から繰り出すリーチの長い前蹴りが千歌に追いつこうとしたが、当たる直前で彼女の姿が残像を残したかのように消えた。

 

かなりの跳躍力で真上に飛んだ千歌は全身を回転させ、強烈な回し蹴りを頬に叩き込んだ

 

だがかかとで蹴り込んだ一撃でも顔面さえ相当な硬さを感じてイラつき、落ちる前にもう一発叩き込んだ。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

ただの女子校生とは思えない華麗な動きの連続

 

美依那は千歌に格闘技経験でもあるのかと思って驚くが、小夜子がバレエをやっていたと聞いたと答えた。

 

千歌の華麗なる動きは、スリーピングビューティーだった。

つまり、水野の顎を蹴り上げる動きは、眠れる森の美女をそのまま取り入れたものだった。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

極真空手の創設者の大山倍達はかつて、バレリーナと喧嘩するなと言い、それはアメリカの諺となって残っていた。

 

大山はアメリカで武者修行中に見たある一流ダンサーが数人の男を倒した話をした際、バレリーナがもし喧嘩をした場合の強さについて触れた。

 

リズム感覚がよく、身体は柔らかくてバネに優れ、それによりスピードが増して瞬間的な速い判断力を備えている。

 

だからバレリーナは強い

 

 

それを証明するように、千歌は水野の片眼をナイフで切り裂いた。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

それでも水野は残った片目をカッと見開き、振り下ろした拳でナイフを弾き飛ばした。

 

急所を切る武器を失った千歌は舌打ちをするが、瀬里がさっと拳銃を滑らせて千歌を助けた

 

千歌は素直にお礼をいい、笑顔で銃を拾った。

 

張り詰めた筋肉で小さな銃が全く致命傷にならないと証明している水野は恐れずに組み付こうとするが、千歌は再度筋肉じゃなく急所を狙うんだと宣言。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

立ちブリッジで伸ばされた腕をすり抜けて股の間に入り、真上に銃口を向けて引き金を引いた。

 

 

鍛えられない顎を狙った銃弾を、水野は仰け反ることでギリギリ躱した。

 

そして足元で寝そべっている千歌を叩き潰そうと拳を握りしめたが、圧倒的しなやかさでひらりと起き上がった千歌は背後に回り、あやの刀で背中を斬りつけた

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

さすがに刀の扱いには慣れていない千歌は無理に深く斬りつけようとして、刀を折ってしまった。

 

 

まともに斬られても冷静に振り返る余力を残した水野。

 

あやは下手くそと罵りながらもも投げて渡した。

 

千歌はイラついて刃こぼれしているのが悪いと言い返しながら、空中で受け取った鉈に勢いをつけて、腕を叩き落とすつもりで振り下ろした。

 

しかし太すぎる腕の途中で止まり、パワーの足りなさと硬すぎる筋肉を痛感。

 

それでも次々と重傷を負わされる水野の威勢は確実に削がれ、今度はショットガンを受け取った。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

水野が咄嗟に頭部を腕でカバーした後、千歌は引き金を引いた。

 

破裂した鉛玉はカバーした腕ではなく、無防備な股間に突き刺さり、さすがの水野も痛みに絶叫をあげた。

 

 

メデューサを投げ一つで沈黙させた水野に対し、千歌はたった一人で一方的に傷を負わせまくっている戦況に、彼女たちはこのまま押せば殺せると確信した。

 

そして霧子は自分の武器で止めを刺して欲しいと言わんばかりにギターを渡した。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

 

ありがたく受け取った千歌は、圧倒的な優勢に油断していた。

 

ノーモーションで振り返り、襟を掴みに来た動作への反応が僅かに遅れた千歌は反射的に左に躱したが、はためいたセーラー服の襟が水野の小指に引っかかった

 

たったそれだけの取っ掛かりで、千歌はガラスをぶち破って投げ飛ばされてしまった。

著者名:山田恵庸 引用元:ヤングマガジン2019年17号

 

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