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34話

パピコは独房で本を読んでいた。

 

細長い間取りでトイレも丸出しの部屋の中、文机の前に正座して静かに活字を目で追っていたその時、不意に苗字を呼ばれた。

ギガント
著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2019年12号

 

 

 

その頃、昆虫を模した頭を持つ破壊神に対し、航空自衛隊も出動して日本の武力をぶつけようとしていた。

 

しかし、トンボが人間の周りを滑空したところでどうにもならないように、戦闘機さえも掴まれ、撃墜されていく。

 

墜落させられた機体が街を破壊するという悪循環に陥っていた。

 

 

 

一方呼び出されたパピコは、弁護士か誰かと面会して何かを言われ、酷い生活でも潤いを失っていない唇にそっと指を触れさせて驚いていた。

 

パピコの意思は関係なく、あれよあれよという間におそらく政府の偉い人とも面会した彼女。

ギガント
著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2019年12号

 

 

ついに重い腰を上げた日本は、未曽有の危機に対し、同じく得体の知れないパピコの力を借りて破壊神を倒そうと考えた

 

 

 

その頃、まだ電車の中で東京が壊滅していく光景を眺めていた零。

 

地震のような揺れと衝撃音の連続。

誰かの叫び声に揺れが収まらない車体。

 

もう開いた口が塞がらず、日本の終わりを覚悟した。

 

 

 

そして瓦礫の当たり所が悪くて恋人を亡くした外国人の彼は、彼女の亡骸を見下ろして悲しみに暮れていた。

 

彼女の顔は、血塗れでなければ死んでいるようには見えなかった。

 

 

母親を失った子供と一緒にどこへともなく逃げていた女子高生は、目の前のビルから人が飛び降りているのを、止まらない涙の下にある瞳に映した。

 

 

そして全ての人間と同じく無力な若い警察官は、その場に堂々と立って、破壊の限りを尽くす破壊神に喧嘩を売っていた。

 

酔っぱらって箍が外れたおっさんのように怒鳴っていたが、なぜか瓦礫の雨は彼を避けるように降ってくる。

 

聞こえるはずもない破壊神を煽りまくって自分を潰してみろと叫びまくり、自分から瓦礫に当たってもいいくらいのつもりでその場を動いた。

 

直後、望み通りに瓦礫が降ってきた。

しかし、それもほんの1m先に落ち、彼は死を免れた

ギガント
著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2019年12号

 

 

この不思議な偶然に、彼が不死身だと叫びながら全力疾走し始めると、また彼の走った後を追うように瓦礫が降り注いでいった。

 

 

そして女子高生と子供は恋人の亡骸の前で立ち尽くしている外国人彼氏と出会った。

 

それに生きる意味を見出した彼氏は、二人を導いて共に走り始めた。

ギガント
著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2019年12号

 

 

 

その頃、自衛隊員を多く乗せた輸送機が新宿を目指していた。

 

誰もが実戦など初めてで、東京が巨大な破壊神に壊滅させられそうになっているなど俄かには信じられていなかった。

 

戸惑いの中、他の大国と戦争するよりはマシだろうと言い聞かせている者もいた。

 

彼らの任務は目下、一人の女性を新宿に無事送り届けることだった。

 

屈強な男たちに挟まれ、ちんまりと大人しく座っている小柄な女性はもちろん、救世主になるべく釈放されたパピコだった。

ギガント
著者名:奥浩哉 引用元:ビッグコミックスペリオール2019年12号

 

 

感想

ギガント32話33話34話でした。

2話に渡って女子高生の逃走劇が描かれました。

呆気なく一人が退場して、ありがちな一人残された子供と行動を共にするパターンに入りましたが、息せきつけぬ展開でついにパピコ登場だ。

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