ファルコがライナーに襲いかかる近くで、ガビは焼け焦げて骨まで見えているコルトの無残な姿を視界に捉えた。
鎧はさすがに単なる無垢一体に後れをとるようなことはなかったが、進撃と同時に相手できるほど余裕はなく、ファルコを介錯しなければならない残酷な決断を迫られた。
その迷いを見逃さずに進撃は獣に近づこうとするが、鎧はギリギリで足を掴んで阻止する。
そうすればファルコが鎧のうなじに噛みついた。
直後、車力の一射が今度こそ獣のうなじを射止め、轟々と煙を上げ始めた。

立体機動部隊をものともせず、続けて進撃に狙いを定めた車力の砲台に雷槍を見舞ったアルミンは、一歩遅かったことに青ざめ、マーレ兵の格好の的になった。
しかし、ミカサがギリギリで喉笛を切り裂く。
獣が確実に白骨化していく光景にライナーは、エレンに始祖の力を使えなくさせたと理解し、このままファルコに食われて彼だけでも帰してやれるならそれでいいと思えた。
そして硬質化を解こうとした。

それより早く、ファルコは何かに気を取られてうなじから口を離した。
ファルコが標的に選んだのは顎から抜け出て生身の身体を晒しているポルコだった。
もう戦力になる体力が残っていないと悟ったポルコは、ライナーへの対抗心と兄弟愛、そしてファルコを一時的でも助けられる自己犠牲の役割をライナーから奪うことにした。
ファルコは本能のままに、その身を犠牲にしてくれたポルコを砕いたのだった。

死に場所を奪われたライナーは進撃に怒りをぶつけるが、拳を噛まれ、硬質化で動きを封じられてしまう。
鎧の動きを止めた隙にエレンはうなじから抜け出し、一目散に獣に走り出した。
ジークは仕留められておらず、皮肉にもピークの死んだフリをパクッていただけだった。
しかし鎧は馬鹿力を発揮して硬質化を粉砕し、容赦なくエレンを捻り潰そうとした。

しかし、間一髪間に合ったジャンとコニーが雷槍で鎧の攻撃を阻止した。
兄弟の手が届くまで、あとほんの何m。
ジークは手を伸ばし、エレンはひた走る。
その線上からずれた場所で、コルトの形見になった銃を構える一人の少女がいた。
ジャンとコニーは少し遠く、ミカサとアルミンは車力との戦闘で精一杯。
ガビが撃った銃弾はまたしても、104期生の命を奪ったのだった。




































