車窓から彼が満月を見上げていた頃、美来も自室の窓の外に満月が浮かんでいるのを眺めていた。
悲しげな瞳に満月を映して物思いに耽っているところに、どんな空気も自分色に染め上げてしまうクロエがノックも無しに入って来た。
何か欲しいものは?と訊くマリアにすげなく答えた美来。
しかしクロエは嫌われていようと関係なく、いきなり胸を持ち上げて体重の減少を指摘した。

いきなりのセクハラに嫌悪感を露わにした美来は遠慮ない手を振り払い、必要以上に相手にしようとしなかった。
ともかく相手を苛立たせようとするクロエは彼の話を始め、現在ヨーロッパにいるらしい彼は多くの美女と共に行動し、その中に橘絵理沙もいることを暴露し、美来の反応を窺う。
行く先々で新しい女性と出会っているから、今頃誰かと初体験を済ませているかも知れない。
そう煽られても、美来は強い気持ちで言い返した。

それが気に食わないクロエは一瞬殺意を漲らせるが、すぐにいつもの調子に戻りつつ、捨て台詞を吐いてから出て行った。
すっかり暗くなった頃に彼は城に帰り着いた。
帰りを待ち侘びていた面々はわあっと笑顔を輝かせて彼を出迎えた。

ただ博士の協力が得られなかったと分かると暗い雰囲気が漂うが、絵理沙は自分たちでやるしかないと気合を漲らせる。
もうメイティングは避けられないことだと理解したばかりの彼は、いよいよ絵理沙を性的な目線で見てしまってなんか照れ臭く、上目遣いで赤い顔を心配してくれる朱音との近さも恥ずかしくなった。

そんな反応に気づかず、アナスタシアが引っ付いてくるので柔らかさが堪らない。
自由奔放な姫を注意する冰冰。
我が道を往くアナスタシア。
翠だけは年齢的に候補でないとしても、自分の周りは美人ばかりだと改めて思った彼は、変に恥ずかしさがこみ上げてきた。
みんな個性的で可愛い彼女たちの誰かと、初体験をするのだから。




































