94話
間違っていると言い切った彼。
告白した直後に間違っていると言われたキアはあからさまにムッとするが、彼が言いたいのは恋愛感情うんぬんではなく、すぐに命を投げ出そうとするその姿勢だった。
同期のナゴミが命を張ったからって、同じように死ぬ必要はないんだと諭したのだ。
一人喰われても、街が平和になるのはたった一日。
ナゴミが犠牲になったのは、きっと自分一人だけで喰われるのを止めようと思ったからに違いないと彼なりの見解を示した。
キアはそうかも知れないのです、と前置きしてから涙をちょちょぎらせ、ナゴミは友達だったのだと打ち明けた。
だから、友達が守った街を一日でも平和にできるのなら、それで十分なのだという。

潔すぎる覚悟に違和感を抱いた彼は、寿命が短いから簡単に命を投げ出せるのだと感じていたが、おそらくガーディアンに対する教育により、街を守るための自己犠牲に躊躇がなくなるのだと思った。
だから教えてやった。
ナゴミが犠牲になった時とは決定的に状況が違うことを。
なんせ、この俺がいるだろうと。
昼間は周囲にも焦りを感じさせるほど焦って本を捲っていたのに、まるで説得力がないドヤ顔の自信満々ぷりにキアも開いた口が塞がらなかった。
ともあれ、メンタルだけは強い彼は日本のことわざで気持ちが大事なんだと語った後、イケメンな台詞を吐き出した。

この俺がいると言われた時から満更じゃないキアは、素直に信じると返した。
そこまではいい雰囲気だったが、やはりデリカシーのない彼は冥途の土産に交尾なんて考えるなと指摘した。
これでもかと慌てふためいて否定するキアだが、愛液を零して道にマーキングしているのも指摘されると、まともに言葉が出てこなかった。

イケメンを突き通す彼は、交尾はガリアを倒した後でと約束し、顔をキメた。
思わぬ大きな希望を抱かさせられたキアは、まさに恋する乙女で真っ赤になり、最後まで交尾目的を否定しながらずっと愛液を垂らし続けて帰っていった。
負けられない戦いに自分を追い込んでいく彼は、明日までに確かめたいことができた。
一方ミサキは、明日の決戦に備えてナイフを研ぎに研ぎ、納得いく仕上がりにしようとしていた。
その時、誰かが訪ねてきたのでこんな夜中に非常識な奴だと感じた直後、夜這みたいに来たのが彼だったので、一瞬で頭の中が花畑になって笑顔を咲かせた。

しかし一瞬でリーダーらしい自分を取り戻し、顔を隠しながら交尾か?と期待を込めて冷静に訊くが、さすがの彼も決戦前夜に体力を消耗しに来たはずがなく、ガーディアンについて訊きたいと切り出した。
落ち着いた話は、ガリアにぶっ壊されたままの部屋の中で。
外から丸見えの壁のない部屋に、常温のお茶を出された彼は自分の常識が通用しないことにまた違和感を感じながら、そう言えばいつもの玉髪飾りをつけていないことを指摘した。
あの玉髪飾りはガーディアンの印であると共に、人には感知できない崩月による匂いを察知して割れる仕組みになっており、その機能で本人は身体が溶け始める直前にそれを知ることができるのだという。
そしてガーディアンはミースの離れにある武道場で訓練する際、アルスレイヤから来た師範に教育される時、街のために命を張る考えも叩き込まれるという。

予想通りだと思った彼はその考え方を一方的に否定するが、一人の命で大勢を助ける自己犠牲精神は理屈でも間違っているとは思えないと言い返されると、ぐうの音も出なかった。
何もミサキたちガーディアンは、死にたいと思っているわけじゃない。
だから死の恐怖を乗り越えるためにあえて口に出し、気持ちを奮い立たせているのであり、その時の覚悟は並々ならぬものなのだ。

そう言われて初めて彼は、自分の常識にだけ基づいた価値観を押し付けたんだと思い知り、交尾も期待したとはいえ、キアの覚悟を蔑ろにした浅はかさを後悔した。
間違っている言ったことを撤回した彼は、ミサキに死んで欲しくないだけだと言い直し、意図せず彼女を発情させた。

直後、漂ってくる肉の良い香りに腹が鳴ってしまった彼。
まだその匂いが、ミサキの股間から溢れ出ているとは気づいていなかった。
感想
パラレルパラダイス92話93話94話でした。
既定路線の交尾でした。
もう一人の新人の乱れる姿も見たかったですが、今はガリアの弱点が何かを楽しみにしようと思いますが、サンドリオに残された文明ならネット検索みたいなこともできそうですけどね。
そう言えば、ミサキはまだ交尾してないのか?
https://www.kuroneko0920.com/archives/62250































