43話
朝ご飯を食べながらパピコが出る生放送番組を見ていた横山田家族。
世界中に名を知られたパピコは日本を救った英雄として、まさに時の人になっていた。
あの虫型破壊神3体を相手に勝利した映像から始まり、某大統領以上のSNSフォロワー数、アメリカ二大雑誌の表紙を飾り、徹子の部屋のアメリカ版みたいな番組にも出演を果たした快進撃を説明されていった。
世界のパピコになっても、零ママは息子の彼女ということで余裕たっぷりに飼い犬の調子を気にする。
零パパはどの芸能事務所に移籍したのか気にし、息子がそれに淡々と答える。
ママは逆に息子が捨てられやしないかと心配し始め、食事に招待しなさいと焦りを見せる。
逆に今は、パパの方が冷静に捉えているようでさえあった。
そして番組の途中で、計ったようにパピコが起用されたCMが流れ始めた。
零は画面の中でトップ女優のように扱われている彼女を見ても、淡々と飯を口に放り込み続けた。

彼の生活はパピコブレイク後もさして変わらなかったが、周りは圧倒的に変わっていた。
通学の道すがらだけで、一人や二人どころじゃない、パピコを真似たピンクヘアー女子を数えきれないほど見かける始末。
純日本人なのっぺりした顔立ちにサラサラピンクヘアーはとても似合っているとは言えなかったが、まるで渋谷のハロウィンのように猫も杓子もピンクヘア。

当然零が通う学校の女子にも、そこそこの数のパピコ女子が発生していた。
政府がETEをブロッキングしてから1週間。
今のところ何も起こっておらず、若者たちはピンク髪に酔いしれて平和を謳歌していた。
共に子供巨人に殺されかけた零と中島は相変わらずつるみ、顔をすげ替えて作るディープフェイク動画について会話を始めた。
詳しい中島は、そのAI技術は一番エロ動画に活用されていて、有名人の顔に替えられているポルノがネットに溢れかえっているのだという。
なまじ映画好きで女優にも詳しいので、中島はきっちりそれらを観賞しているようだった。
更に中国発祥らしい、夢のモザイク外し。
ただモザイク部分を消し去るのではなく、AIが隠された部分を予想して描き出すという、まさに妄想の産物だったが、パピコのモザ無しは当たり前に、人気女優は軒並み予想されているという。
つまり中島は友達の彼女の予想部位を仔細に観察したのだと、その友達に告白しているのだ。
元AV女優だからそれもやむ無しと思ったのか、零は特に怒ったり気持ち悪がったりせず、そんなことに使われてばかりのAIを不憫に思った。

その時、街頭ビジョンにパピコのCMが流され始めた。
ちゃっかりパピコの動画を観ている中島は、最近お気に入りのグラドルよりいいかもと呟いた。
とにかく今の日本はどこを見ても、パピコもどきばかり。
コンビニの雑誌棚もパピコの表紙ばかりでゲシュタルト崩壊を起こしそうな勢いだった。
零は立ち読みでパピコのグラビアに目を凝らしている男たちを静かに眺めた。
その夜、帽子とマスクで顔を隠した零はマスコミが集る玄関をスッと通り抜けてマンション内に入り、何食わぬ顔で鍵を使い、パピコの部屋に入った。
そしてすぐ、英雄で時の人で世界のパピコになったちほと激しくまぐわい始めた。

お互いに名前を呼び合い、ずっと肌を密着させて深く激しいキスで求め合う。
汗だくになって愛を囁き、舌を絡めて言葉を直接入れ込もうとする。
二人は普通の若いカップルらしく、会えばヤリまくっていた。

事後、ピロートークよろしく、パピコはマネージャーに零の存在がバレたが、別れるくらいなら辞めるときっぱり言ってやったのだと打ち明けた。
感想
ギガント41話42話43話でした。
まあ政府としては当然の処置でしょうし、パピコに格闘技なり何なり仕込み、また武器か戦闘服の開発も始めるのが妥当ですね。
AIというワードは、フラグっぽい気がしましたね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/64584
https://www.kuroneko0920.com/archives/14995
































