二匹が音もなく矢に貫かれたのを見たエルフが愚痴を零すも彼は取り合わず、怯える少女にプレートを見せて味方なのを伝えた。
安心した少女から情報を訊き出すのは、穏やかな安心感で包み込んであげられる女神官にバトンタッチ。
村の広場に住民が集められている、少女に姉がいると聞いた彼は静かに怒りを滾らせ、女神官が不安を募らせる少女を安心させるために笑顔で無事な救出を約束した。

エルフが見たところによれば、数はおよそ20で広場には5~6匹。
少女をもう一度隠れさせてから、彼と女神官が外周、エルフとドワーフとリザードマンが広場を担当することにした。
洞窟とは比にならない物陰だらけの村内戦闘に緊張感を高まらせていく女神官が彼の背中を預かりながら進んでいく。
彼は屋根にいた一匹を殺さずにあえて落とし、深手を負わせて悲鳴をあげさせた。
場所は比較的見通しのいい十字路。
改めて背中をくっつけ任せられた女神官は、別の緊張も高まってしまう。

いつもと変わらず、結局全てに気をつけろと指示された女神官は指示になっていない指示に苦笑いを零すが、近づいてくるゴブリンのおぞましい声に、今度は命懸けの緊張に襲われた。
程なくゴブリンが続々と集まり、二人に襲いかかってきた。
42話
倒しきる必要はなく、牽制だけで仕留めるのは任せろと言われた女神官は、威勢よく返事した。
彼はいつも通りに襲い来るゴブリンを返り討ちにしながら数を数え、的確に急所を突いていく。
彼の前のゴブリンが頭を割られ、喉を割かれて絶命していく後ろで、女神官は指示通りに杖の長さを利用して近寄らせず、機を見て強い一打を放った。
しかし、非力故に掴まえられてしまった。

それでも修羅場を潜り抜けて来た女神官は即座に聖光を放って目を眩ませた。
その隙に彼が止めを刺し、この場で滞りなく10匹減らすことに成功した。
お互い無傷なのを確認すると、瞬時に放った聖光を珍しく彼に褒められた女神官は躊躇いがちに喜びを噛みしめた。
そしてすぐ自重した。

ここまで見つけた死体と合わせても合計13体。
広場に集めたり、村人の遺体が荒らされていないのもゴブリンらしくない。
果たしてダークエルフのような頭がいるのかどうか。
二人が考えを巡らせていると、ドワーフの酩酊の臭いが漂ってきた。
人質ごとゴブリンを眠らせた効率的な作戦により、広場では6匹のゴブリンが倒されていた。
徐々に回復していく村人の中、彼は村長にプレートを見せて身分を明かし、まず大いなる感謝をされたのもそこそこに、薬師がいるのを訊き出すと、共に治療に当たって欲しい旨を伝えた。
全くお礼を頂こうとしない態度に驚いた村長は、いつか聴いた吟遊詩人の小鬼殺しの歌は真実を歌っていたのだと知り、二重に驚いた。
そしてあの少女と姉は感動の再会を果たし、女神官は嬉しくなった。

その姉こそが村唯一の薬師だと名乗ってくれたので、彼は遠慮なく指示をして治療を手伝ってもらい始めた。



































