妊娠したい女の子と凶行
翌朝、ここみは優芽に絡み、姉弟でするのはどんな気持ちだったと怒り交じりに問い質した。
そこに亨も顔を洗いに来ると、遠慮せず嫉妬に塗れて姉とした気持ちを訊ねた。

しかし、亨が冷静にそんな質問をされることへの不快感を示すと慌てふためき、焦って許しを請い、優芽に責任を押し付けて怒りをぶつけ始めた。
亨は二人の諍いを止めるため、昨日天井に見たアレについてここみに訊ね、教えてくれれば許すことにした。
ここみによれば、アレこそ自分たちの敵であり、下手をすれば狂い死にさせられるほど恐ろしいもので、だから佐戸喰の力を借りて倒し、永遠の命を手に入れるのだという。
そしてここみは、亨に愛されるために最も邪魔な優芽への憎悪をこれでもかと募らせた。

その日、街に出て折伏があり、子供たちの中から数名が選出されると発表された。
キリオはまだ誰が行くかも発表されないうちに自分が選ばれるものだと思い込んでバカ笑いし、先に死ねることに狂喜した。
しかし選ばれた三名はここみ、亨、いさりの3人だった。
勝手にぬか喜びしたキリオが打ちひしがれ、逆恨みしたのはもちろん、姉弟で外に出してもらえるものだと思っていた優芽は、希望で弄んできた伊東を睨みつけた。

一方、ここみに心酔しているかさねは置いて行かれそうになったことに焦り、人目も憚らずに縋り付いた。
だがここみは亨への愛が何より大事で、今までのように唇を塞いでお仕置きするようなことはなかった。
一生に一度の大失恋をした心地になったかさねは乾いた笑いを漏らし、床をかいて爪を剥がし、それでもここみに愛される方法を悶え考え続けたのだった。

そして選ばれなかったキリオは、自分の能力の低さを顧みることもなく、新顔への殺意を膨らませていった。
優芽は亨に仲介してもらい、ここみと二人きりになると、伊東が普段どこにいるのか訊ねた。
当然ここみは協力などしたくないが、亨への報告を恐れ、逆に勝負を持ちかけてその結果次第で教えてもいいという。
とにかく亨と血が繋がっていようが姉だろうが、亨の一番でいたいここみはこれを機会に、上下関係をはっきりさせておきたかった。

亨に面倒をかけたくない過保護な優芽は、仕方なく勝負を受け入れ、今晩中庭に行くことを約束した。
亨の魅了の能力が介在し、子供たちの間の感情の矢印がどんどん歪になっていた。
姉弟と同じタイミングでここに来たはるかは、早くも仕事に選ばれた亨に尊敬の念を抱くがそれだけでなく、もう孕ませられたいほどの欲求に至っていた。

そしてもう一人、仕事に選ばれたいさりは反対に、外に出ることを非常に恐れていた。
いさりにとって外の世界は、家族ごと嫌われ、学校で遭った酷いイジメを思い出す場所でしかなかった。
その夜、ここみはベッドの相手に優芽を指定し、ヤルことをヤってから二人して中庭に抜け出した。
二人の行動に気づいていた亨は、姉に害が及ぶフラグが立ちまくりだと思い、尾行して何をするつもりなのか覗き見ることにした。
しかし、この機会をチャンスだと感じた狂気のキリオも尾行の尾行をしていたのだ。
振りかぶられる農作業用の鎌。
抉られる二人の肉。
愛、殺意、怒号、恐怖が入り乱れた末に…

感想
淫らな邪教に巣食うモノ3巻でした。
面白度☆7 メンヘラ度☆9
まともなのは優芽だけですね。
果たしてキリオの凶行により、どんな結末が待っているのか。
3巻はここみ×かさね、ゆら、箕田の日常と、ある話の補足編も収録されていてかなりボリュームアップされています。
https://www.kuroneko0920.com/archives/73367

































