その頃美来も、UWのニュースを観て、彼が重症に陥っているらしいと知り、驚愕していた。
麗亜はロスアニア黒幕説をあっさり鵜呑みにしつつ、しかし全部信じる必要はないと美来を気遣うが、美来は怪しいニュースよりも彼の言葉をずっと硬く信じ続けていた。
必ず戻って来ると言ってくれたあの言葉。
再会するために、美来は縛りだらけの人生を元気に過ごしてきたのだ。

しかし、実験室では最後の別れが行われていた。
まひると朱音も呼ばれ、皆で名前を呼んで残されているかも知れない希望に賭けていたが、誰もが号泣して別れを覚悟していた。

それは彼も同じだったが、またしてもいるはずのない美来も泣いて名前を呼んでいるのが見えた。
絵理沙と美来が手を握り、生きてと願っているのが見えた。

全員が悲しみ、生きて欲しいと願ってくれている。
死を覚悟した立ち向かった彼は死を目の前にして、生きたいと願った。
その想いが奇跡を起こした。
最初に変化に気づいたのはショートカットだった。
MKウイルスの急速消滅という奇跡を。
直後、体内で大きな変化があった彼は、雄叫びを上げながら股間を突き上げるように仰け反った。

まさかの反応に泣いていた彼女たちがハッと黙ると、激しく息を乱した彼はしっかりとした目の輝きを取り戻し、口元を拭って言った。
血が止まったみたいだと。
その時、美来の姿も笑顔で消えていった。
目の前で人体の奇跡を目の当たりにした絵理沙は顔をすり寄せ、生還に感謝した。
一科学者として立ち会った博士もウイルスに打ち勝った彼に驚いた。
ともあれ、命懸けで生きて実験を成功させた彼のおかげで必要なデータを手に入れることに成功し、特効薬開発の準備が整った。



































