首を斬らねば分かるまい・卑猥なお嬢様
しかし朝霧は父親については明かさず、ただ人生に絶望したことだけ分からせるため、剃刀を手に殺して欲しいと頼んだ。
死の覚悟を見せたことで朝霧はやっと、父に何をされたのかを明かし、どうせなら幸乃助に殺されたいと願った。

幸乃助は沙夜が首を刎ねる直前に言った言葉を思い出して伝え、思い止まらせようとした。
それは朝霧の絶望を消すことはできず、自ら首を切らせてしまうのだった。
一命は取り留めたが、楼主に義理も情けもなく、回復し次第、以前と同じように店に出し、死ぬまで利益を生ませ続けるつもりだった。
そんな楼主の鬼畜外道加減を思い知った幸乃助は、彼女を闇から救い出すために銃を持ち、何をどうやって朝霧の父をけしかけさせたのか、楼主に問い質した。
しかし楼主は悪びれもせずに、高級品まで渡して熱を上げた華族の子息を煽って迎え、ここで引き金を引いたところで不幸な女はなくならないと諭した。

そこに現れ助け舟を出したのが、何くれと世話を焼く達臣だった。
役人に無理に話を通し、土地ごと店の所有権を手に入れた達臣は、有無を言わさず楼主を黙らせ、弟に身分を使った戦い方を伝えたのだった。
軽傷だった朝霧は程なく動けるようになり、厚意に甘えて吉原を離れることにし、またいやらしく駆けつけた父親にも絶縁を突きつけてやった。

幸乃助に多大な感謝をしている朝霧だが、貧困による不幸が消えたわけではなかった。
朝霧以外の女郎を抱く気になれなかった幸乃助は再び絵に没頭するようになり、沙夜を描いた。
そんな息子を憂いた父は、子供の頃に仲良くなった五稜家の晴美を我が家に招待し、再会させた。
五稜家に預けられ、共に芸事を学んでいくうちに仲良くなり、やがて彼女の好意に気づいた幸乃助だったが、勃起できないことで後ろめたく向き合ってこなかった。
しかし晴美の気持ちは変わらないままなので、父が勝手に縁談を進めて沙夜を忘れさせる荒療治に出たのだ。

華族の結婚には宮内省の許可が必要であり、父は抜かりなく宮内卿も再会の場に呼び、トントン拍子に許可を取り付けた。
さすがに幸乃助は受け入れられず、晴美が嫌いではないが好意を拒絶して分かってもらおうとするが、逆に晴美の猛りも抑えられるものではなく、堂々と夜這いを仕掛けて既成事実を作りにかかる。

それさえも拒絶し、首斬り家の現当主を選ぼうとする弟のため、達臣は富も名声も捨てる覚悟を確かめると、また沙夜と会うお膳立てをした…
感想
首を斬らねば分かるまい1巻でした。
面白度☆8 非情度☆9
誰に罪を働くかで、生きるか死ぬかが変わるなんてえげつない貴賤が明治にはまだまだ残っていたんですね。
今も上級国民が忖度される世の中なので、人が人である限り平等はないんでしょうね。
それはそれとして、エロ、グロ、歴史と見所と読み応えがあって面白かったです。
https://www.kuroneko0920.com/archives/69211

































