173話
逃げずに犯人に姿を晒されたらぎ姉は焦り青ざめ、済まないと謝った。
しかし彼は自分がバカだったと責め、戦えるが故に情に流されて最後まで残ってしまうのがらぎ姉なのにと改めて実感し、勢い任せに愛を叫んだ。

直後、轟は橋を過ぎてらぎ姉に狙いを定めた。
どうにかしてらぎ姉を逃がす方法はないかと考えた彼は、結局その方法しかないと思って体中が震えるが、覚悟を決めて大声を出し、轟を煽った。
らぎ姉を助けるには自分に注意を引き付けるしかなかった。
狙い通りに彼に標的を変えた轟は、全速力で目の前まで走り寄った。
まだ勝利を諦めていなかった彼は、神城直伝の技で、人間と変わらない身体の構造をしている轟のゼロ距離粉砕を狙った。

ストレートを躱して懐に潜り込み、引き金を引けたが、ただでさえ人類最強レベルに達していた轟がその程度の射撃を避けられないわけがなかった。
轟以外ならこの戦い方で何とかなると思っていた彼は予想通りに躱され、防御に回ったが、らぎ姉の援護射撃もものともされずに殴り飛ばされてしまった。

勝っている要素が一つもなく、圧倒的敗北濃厚。
それでも彼は息を喘がせながら起き上がり、もう一度銃口を向けるが、すかさず距離を詰めていた轟は容赦なくラッシュを繰り出して拳銃も破壊し、ワンツーでもう一回吹き飛ばした。
今度こそ洒落にならないダメージを受けた彼は血を吐き散らし、立つのも厳しくなった。

らぎ姉は背後から何度も援護射撃を繰り出すが、轟は鋼鉄の尻尾で容易く弾き返し続ける。
するとらぎ姉はとてつもない後悔に襲われて責任を感じ、最早打つ手なしともう一回謝ってから号泣し始めた。

しかし彼は諦めずに、負けない生きるんだ、生き残るんだと叫び、ナイフを握りしめた。
だが刃が届くはずもなく、もう手も出されずに尻尾でしばき倒されてしまう。
気を失うかどうかの瀬戸際まで追い詰められた彼に為すすべなく、尖った尻尾の先っぽが突き出された。
白目を剥きかける彼、泣き叫ぶらぎ姉。
その時、変異体に食われて死んだはずの神城が現れ、彼の前に立ちはだかったのだった。

感想
インフェクション171話172話173話でした。
一般人がどんどん消えていきますけど、本当にどう着地させるのか楽しみですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/69256
































