102話103話
サカキが繰り出した切っ先は確かに橘の服と肉を裂いた。
ただ身体を捻ったおかげで皮と薄い肉だけで済み、勢いのままに体当たりして押し倒した。
体格差勝負に持ち込み、パワーで勝つつつもりだった。

サカキはなんとか刀を振るおうとするが、橘は足で腕を踏みつけて抑え込み、完璧なマウントポジションを取ろうとして、足を振りかぶり、思いっきり金的を食らわした…つもりだった。
しかしチン〇や金玉の感触が全くないことに驚いた。
それでも痛いものは痛いサカキが涙を滲ませると、自分の思い込みに至った。

体格差では負けても体術でも一日の長があるサカキはうまく相手の体重をいなしてひっくり返し、地面に叩きつけてやった。
その時、目の前で小ぶりな乳房が揺れるのを見た橘は、ようやく相手が女だと知ったのだった。

抑え込みも失敗し、ひっくり返されて剣を突きつけられ、完全敗北を喫した橘。
最早これまでかと思われたその時、燃え盛る建物が崩れ落ち始めたのだった。
逃げる途中だった啓太たちも崩壊に巻き込まれそうになり、桐花と共に全速力で走った。

崩れゆく轟音、追いすがる高熱、舞い上がる黒煙。
三人はギリギリで脱出できたが、橘にその余裕があるはずもなく、焼け落ちた建物の中に取り残されてしまうのだった。
降りしきる雨の中、三人にできることはなかった。

だがその時、啓太は頭痛を感じると同時にまだ橘が生きている映像が見えた。
しかし助けに行きたくてもシマビトたちが集まり出し、ここに留まればまた捕まるだけ。
すると桐花が二人にすぐ逃げるよう促し、自分はガモウの行く末を見届けたいから島に残ると言い出した。

それもまた、彼女が見つけた生きる道。
その意思を尊重した啓太は決断し、橘救出は後にして一旦退却することにした。
感想
インゴシマ97話から103話でした。
他に注意を逸らして、その隙に助け出すシンプルな作戦ですね。
橘はうまい作戦を思いついたと思いましたが、サカキにパワー以外の隙はなさそうですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/71562

































