5話
下田は始めからイジメられていたわけではなかった。
信たちのグループの中ではカメラマンを進んで引き受けて楽しくやっていたが、ある時から急にイジメの対象にされてしまった。
デリヘルを切れさせ、ケツ持ちのヤクザを呼ばれて暴れ回り、ボコボコにされた信は警察の厄介になりつつ弁護士の久原にも厄介になった。
踏んだり蹴ったりの自業自得地獄に落ちている信は、下田を本気で殺さんばかりに荒れていた。
後日、また桜川とホテルで会った久原は様変わりした信の様子を話し、自分たちも会うのを控えようと切り出したが、この不倫にどっぷりハマっている彼女は信が殺人を犯そうが知ったこっちゃなく、今はお腹に宿った命を二人で育てていきたい想いが溢れ、当たり前のように離婚と結婚を迫った。

すると久原も笑顔で受け入れたので、桜川はSNSで結婚発表してフォロワーからの祝福を今から心待ちにし始めた。
もちろん久原に不倫愛を貫くつもりなどなかった。
後日、立派な家に妻の両親が遊びに来た。
娘たちは祖父母に懐き、久原も義父母との関係は良好、絵に描いたような幸せな家庭を手放す気など毛頭なく、家族と桜川のどちらを選ぶかなど迷う余地がない。
そんな時に、桜川はさっそくこの前のホテルでの密会をSNSにアップするだけじゃなく、安直な縦読み匂わせをぶち込んだ。

いよいよ進退窮まった久原の様子を、妻は敏感に察知した。
その夜、久原は桜川を職場に呼び出すと、流産を狙っているかのような激しいピストンで子宮を刺激し、パンパン背徳的な職場不倫セック〇を堪能し始めた。

そのまま首にも手をかけて膣の締まりを強くするかのように力を込め、気道を絞めた。
久原の選択は、同級生の不倫相手を殺して妊娠も何もかも闇に葬ることだった。
罪に罪を重ねた久原は事切れた死体になってから謝罪の言葉をかけ、自分を正当化しながらスーツケースに桜川を詰め込んだ。
このまま山深くに埋めて元の生活を取り戻すつもりだったが、皮肉にも職場を出た瞬間、見知らぬギャラリーに取り囲まれクラッカーを浴びて祝福された。
それらは桜川のフォロワーで、ここに来る前に結婚発表とこの場所が記された投稿を見て、祝福に駆けつけたらしかった。
その中には不倫を疑っていた久原の妻も紛れており、夫の不貞を責め立てると共に殺人の罪まで上塗りしているのを見つけてしまうのだった。

こうして終わった久原は、今更ながらに桜川の死に号泣した。
その頃、とある精神病院で偶然にも鉢合わせた下田と信は、過去のわだかまりを横に置き、居酒屋で飲んでいた。
現在の下田の様子から犯人ではなさそうだと判断した信はしかし、警察に任せるつもりなどなく、下田と接触したその男が怪しいと見て、独自に動いてやはり殺してやるつもりだった。
その時、下田に動画付きのメールが送られてきた。
それは久原が職場の前で泣き叫んでいるシーンで、それを観た信は他人の不幸に汚れ切った心を滾らせた。




































