147話
奈津子が死ぬところを見ていたという教祖しぐま。
ただし死ではなく、アーカーシャーに還ったという設定は譲らない。
人の未来が視える教祖の素晴らしさに犬養姉妹が微笑むものだから、千歌はイラついて姉妹の一人から奪ったナイフを全力投球で返してやった。
直後、教祖のしゃがめという言葉で平がしゃがむと、ナイフは彼を掠めて壁に突き刺さった。
姉妹に投げるフリで平を仕留めようとした千歌の騙し討ちを、教祖は投げる前に見切ったのだ。

そして平が頭に血を上らせるとロープを離すなと注意し、カレンが首を捩じり切ろうと狙っていることを教えた。
カレンが3人がかりでないと抑えられないこと、虎視眈々と反撃を狙っていることをまたしても言い当てたのだ。
つまり幹部の手が離せない状況なので、教祖は自ら前に進み出て六角棒を構え、千歌に勝負を挑んだ。

最優先は真希救出だがここで教祖を始末できるのなら願ってもなく、ありがたく勝負を受けた千歌は背中の包丁を握り、一気呵成に斬りかかった。
しかし刃は届かず簡単に角棒で胸を突かれてしまう。
教祖はなにも人並外れた体術を駆使しているわけではなく、千歌の動く先に角棒を繰り出し、突いて叩いて全てを一歩早く対処していた。

まさに数秒先の未来が視えているかのような動きで、カレンも抵抗もままならないうちに教祖の指示で動いた幹部連中に拘束されてしまったのだった。
それでも千歌は何かトリックがあるはずだと思い、一旦距離を取ると自慢の身軽さで壁の取っ掛かりを利用して忍者のように飛び上がった。
凄まじい跳躍力とスピードに加え、ポケットに忍ばせていた砂混じりの瓦礫を投げつけ、教祖の視界を塞ぐことに成功した。

さすがに視界を奪われれば予知視も使えまいと踏み、ダイビング串刺しをお見舞いしようとした。
しかし、教祖は絶妙な角度で、飛び降りてくる千歌の膣に飲み込まれるように角棒を離した。
水野組長にしたことが降りかかる因果応報。

かに見えたが、千歌はギリギリで身をよじって下着とセーラー服を犠牲にするだけで躱し切った。
しかし、見ずともできる未来予測はかなり洒落にならないチート能力だった。
一方、カチュアと若本は血塗れの友坂を追いかけていた。
なぜ血塗れなのか、誰にやられたのか、爆発に関係しているのか。
疑問はたくさんあるがまずは情報を絞り取らなければならず、カチュアは一般信者に出くわす前に見事なナイフ投げで足を止めた。
そして生かしたまま友坂を捕らえることに成功したが、またしてもややこしい奴に覗き見られていたのだった。



































