10話
激しい雨の中、陽弐の臭いを辿って追いかける会長。
回っていない呂律で彼の名を叫びながらおぞましい走り方で突き進んでいくと、途中で何かの臭いで彼の臭いがかき消された。
それは芥火が持っていた煙草の煙の臭いだった。
自分では吸わないからこそ不良たちに持たされていいように利用されている芥火だが、それを理解しているのかパシリ扱いを認めたくないからなのか、とにかく吸わないのに持っていたおかげで会長を撒くのに役立った。

とは言え執着が凄い会長が諦めるとも思えず、洋壱は返り討ちにすることを考え、精液以外にも有効打になるはずの血液を使ってみることにした。
会長は放置された煙草を見つけ、もう生ハメして注ぎ込んでもらって他の奴らは搾り取って干からびさせてと、想像を膨らませていく。

その隙を狙い、隠れていた洋壱は自分の血液を染み込ませた布ボールを投げつけた。
当たった会長の歪に増殖した部分は効果覿面に溶けだしていくが、会長も邪魔でしょうがない兄を屠るために一気に躍りかかった。
自分の身体を切り刻んで血を流しまくった洋壱はさすがに出血しすぎたせいか、頭がクラクラして連続で食らわせるのも限界がきた。
劣勢だった会長は血の投球が治まった隙を逃さず掴みかかり、怪力で頭を握り潰そうとした。

しかしゼロ距離になったなら、洋壱は精液薬をぶっ刺すだけだった。
体内に直接流し込まれた会長は苦しみ、頭のフジツボはみるみる消滅していくが、被害者でしかない彼女は症状が治まる前に無残な最期を遂げてしまうのだった。
弟を守るため、会長を元に戻すため、犠牲者を増やさないため。
命懸けで戦った洋壱はまさかの結末に言葉もないまま、明石たちの後を追いかけた。
しかし今度は発情の根源、あの美女が現れたのだった。




































