父の勇姿とレディスモーカー
できるだけの斧を回収してこのえも映画館に戻った直後、怪獣が荒ぶって船を大きく揺らした。
ちゃんと理解した乗客たちは声を潜めるが、さっきの子供がまた我慢できず泣き声を出してしまい、両親でもどうすることもできなくなった。
泣き声の小さな漏れでも触手は敏感に感じ取り、このえたちの踏ん張りも空しく扉をぶち破られてしまう。

おぞましきラフレシアのような触手が、幼い命に近づいていく。
ここで覚悟を決めた父親は、我が子の口を押えるのを諦めて大きな声を出して注意を引き、自ら犠牲になって子供を守ったのだった。
しかし命を賭した行動も空しく、もう一本が入って来ると、パパを思って泣く子供の声に引き寄せられていく。

ここで今度はこのえが覚悟を決めた。
心配する祖母に悪いと思いながらも触手に斬りかかったが、斧の一振りではどうにもならずに弾き飛ばされてしまい、次のターゲットになった。
その時、一度は怖くて逃げた乗客のおっさんが斧を振るって立ち向かったのをきっかけに、勇気を得た男たちが一斉に斬りかかった。

我が身を顧みないこのえの勇姿は、またしても多くの背中を後押ししたのだ。
恐怖に震える心を奮い立たせるこのえの才能が発揮された直後、テレビ局で友人の活躍を知った美沙から電話がかかってきた。
美沙の声を聞いて膝から力が抜けるこのえだが、訊かれるままに何が起こっているのか何が必要なのかを簡潔に答えた。
その声は、カメラに撮られている美沙を通して全国に届けられていた。

動画の生配信と地上波放送により一気にネットが荒れ、政府も自衛隊を動かさざるを得なくなると、怪獣に魚雷をぶつける作戦が立てられ、現場に最も近い護衛艦のあけづきが向かうことになった。
あけづきには、かつて沈められたくれづきの生存者もいた。
後は静かに自衛隊の助けを待てば良かったが、数時間も立てばトイレに行きたいだの、父親が我が子を守って喰い殺された光景をもう忘れたような不満を漏らす者が出始めた。
もちろん漏らさせるわけにもいかず、一人ずつ用を足しに行くことになったが、こんな状況でも些細な我慢もできずに自分の部屋まで戻って済ませる自己中心的な我がまま女がいた。

自分では何もせず何もできず、何もしようとしないのに不満だけは一人前で他者を無能だとバカにする性根が腐った女には、それ相応の怖い目に遭う機会が与えられた。
船内の生存状況の把握。
日本のピンチにつけ込もうとする近隣諸国。
動き出す魚雷作戦。
救命艇で大人しく救助を待つこのえの祖母と迷子。
SNSを使って船内に散らばる生存者に魚雷作戦の説明をしようとするこのえを邪魔せんばかりに不満不安だけをコメントしまくる、説明を聞かない者たち。
ここでこのえをサポートしたのが、命を救ってもらったばかりの女や、斧を振るった乗客たちだった。

しかし魚雷作戦は、船外にいるこのえの祖母たちのせいでスムーズにいかなかった…
感想
怪獣自衛隊2巻でした。
面白度☆8 惚れる度☆8
可愛く勇ましく時折弱さも見せるこんなヒロイン、近くにいたら高確率でトキメキ、守り守られたくなるでしょうね。
強面パパの最期はカッコよすぎて涙モノだったので、何とかママと娘は無事に陸に戻って欲しいです。
https://www.kuroneko0920.com/archives/76443

































