相思相愛の記憶
洋館の持ち主を調べてキャリアがある医者だと調べた刑事は、牧野和也が入れられている病院に赴いて彼と面会し、桐野尚子が生きていることを教えてやった。
黒木親子を殺って以来、精神を病んで日がな一日壁を向いて殻に閉じこもり、誰とも接さず薬で自傷行為を抑えている状態で廃人のようだった和也。
しかし、尚子が生きているという言葉に反応を示すと、泣いて喜んだのだった。

刑事の目論見は、パンプキンナイトの遺志を継いだ和也に尚子を止めさせることだった。
尚子の顔の皮膚がどうしても壊死してしまい、再手術の失敗に医者は落ち込んでいたが、本人はこの顔でも誰かから受け入れてもらえた記憶が薄っすら残っていたので気にしていなかったが、それが誰かを思い出せずにモヤモヤしていた。
それを思い出すため、埋められていた森に入って記憶を刺激していた。

そして今日もその場所に行き、待ち構えていた刑事と鉢合わせした。
相手を知らなくても自分は知られていると分かると尚子は問答無用で襲いかかり、袖に仕込んでいた暗器で圧倒していく。
しかし牧野和也の名を出されるとついに封印していた記憶が蘇り、彼が愛してくれた光景を思い出したのだった。

和也から隠されていた全容を聞いた刑事は、この二人こそ真の被害者だと知り、記憶を封印してしまうのも無理からぬことだと理解できた。
和也が生きていると知って感涙する尚子だが、彼が入院しているのが自分も入れられたクリニックだと知ると、喜びが一転、大きな焦りに変わった。
尚子が入院していたのはあの黒木一家率いる黒木グループの系列病院であり、理事長は鳴人の母親の沙英だった。
劣悪な環境で実験動物のように扱われた尚子が一目見て、鳴人そっくりな沙英が母親だと分かったように、刑事との接触で尚子生存を知ってやって来た女を見た和也も、瞬時に血の繋がりを察していた。

記憶を取り戻した尚子にはもう、医者に付き合って悠長に世直しをしている暇はなかった。
黒木一家の生き残りに情報を提示しただけの間抜けな刑事を振り切り、命の恩人だろうと関係なく医者を撥ね飛ばして病院に急行するパンプキンナイト尚子。
果たして愛する彼が殺される前に間に合い、ジャック・オ・ランタンよりも恐ろしい人の皮を被った最後の化物をパージすることができるのか…

感想
パンプキンナイト5巻でした。
面白度☆9 スカッと度☆8
ここ最近、上級国民が報いを受ける内容をチラホラ見かけますが、これは特に惨く有無を言わさぬ鉄槌なのでやっぱりスカッとしました。
疎まれイジメられるほどの変人美少女だっただけあって、やっぱり素顔は美少女な尚子には今度こそ、悪人に勝ち切って欲しいですね。




































