148話
ユーマとトリスは街を一望できるテラスに並んで座り、活性化してきた現状を話し合った。
まだミミの口を塞げば国母に反旗を翻した事実は隠せるが、ユーマは早くも後悔はないと言い切り、魔女サーニャが嫉妬深い神の記憶を取り戻し、崩月の呪いが解ければ万々歳だと思っていた。
それは最高の結果で、神が都合よく呪いを解いてくれない場合もあると見越しているが、三千年も人類は呪いを享受してきたのだから、可能性があるなら懸けるべきだし、記憶が戻ってもどうにもならないのなら、慈悲深い神に祈るだけだった。
慈悲深い神もまた、存在が確認されていないまさに神だ。
仁科が本当に嫉妬深い神かどうかは後で分かるとして、トリスは取りあえず自分たちだけでも交尾をしておくか訊ねた。

真面目で人を束ねる責任感もしっかり備えているユーマは、数万もの住民を差し置いて短命の呪いから解き放たれるなんてできないときっぱり拒否した。
変わらない真面目さが微笑ましく感じるトリスは、なら自分も真面目さに付き合うと答え、美しい友情を深めたのだった。

トリスとロミーを除いた関係者で魔女の家に向かうことになった。
馬車にミミを詰めた箱を載せ、滞りなく到着。
昨日の訪問者は誰だったのか、魔女は特に変わった様子もなく彼らを出迎えると、箱の中で暴れている威勢のいい食料に楽しみな様子を窺わせるが、仁科を見るとさすがに緊張した面持ちに変わった。

一先ず魔女は脳みそを確認させてもらうといい、箱の蓋を開けると、縛られているミミを見てちょっと言葉を無くした。
そして住人を殺して喰っていた罪人だと知ると、まるでミミに対してかのように気の毒だと漏らした。

それをはぐらかした魔女は、ミミを家の中に運ばせて一行も招き入れると、喰う前に記憶回復に取り掛かった。
ユーマが仁科が敵対する時に備えて大剣を構えるので仁科は怖がるが、魔女はいやらしく笑ってこんなもんじゃ殺されないから心配ないと太鼓判を捺した。
直後、急に見た目通りの老人らしく腰を痛がった。
それはさておき、最後に本当に記憶を取り戻していのか問われた彼は、逡巡してから頼むと返した。

魔女が仁科の頭に手をかざすと手の平の目玉が目を剥き、甲高い音が鳴った。
感想
パラレルパラダイス146話147話148話でした。
ミミが想像以上に激ヤバ犯罪者で引きましたが、こういう奴じゃないと魔女になれないのなら納得。
魔女を訪ねたのは、おそらく国母か。
https://www.kuroneko0920.com/archives/76792



































