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そして柘榴の実へ

ずっと父に嬲られてきた楓は諦め、侘助が妹にあげた木彫りの番犬を使うことにした。

 

まるで生きているかのように顔面の肉を挟みちぎった牙で視界を奪い、鋭く尖った尻尾で止めの一突き。

 

菖蒲が最後に吐き捨てた言葉は果たして、醜い姿にされた妻の本音だったのか。

当て屋の椿
著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿17巻

 

 

 

後から棉の最期がどうなったのか聞かされた侘助は菖蒲を迎えに行ったが、そこにもう楓の姿はなかった。

 

 

 

そして現在、岡場所で菖蒲を見つけた侘助は、当時と変わらず短い髪の彼女を抱きしめると、身体を縛る縄を切り解した。

 

ちゃんと楓の気持ちを理解したつもりになっている侘助は、薄桃色の唇に吸いつき、艶めかしい乳房を露わにして、よくある男の名の彫り物と憤怒の表情に気づいた。

当て屋の椿
著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿17巻

 

 

楓の身体には、他にもいくつもの男の名が刻まれており、どこにも大きくなれば手形に見えるような痕はなかった。

 

 

彼女の名はアザミ。

間抜けな人違いで、男たちの名は起請彫りと言われる愛の誓いだった。

 

 

珍しい珍奇な名前だったおかげかせいか、侘助の名は彼女の身体に刻まれることがなかった。

当て屋の椿
著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿17巻

 

 

斯くして椿が少し骨を折ったおかげで侘助の楓捜しは一からやり直しとなると、椿は羅宇屋の名前が何なのか気になったその時、また新たな次郎殺しの報が飛び込んできた。

 

 

九人目の次郎殺し。

 

次郎が次郎を殺す数珠繋ぎは五人目まで、そこから先は金棒による撲殺で下手人は未だ分からず。

 

果たして羅宇屋の賽子の刺青の見える面は、五と四と一

 

羅宇屋の名前もまた次郎で、彼は刀や脇差が持てない代わりに、総鉄製の喧嘩煙管で煙をくゆらせていた。

 

五人の次郎と、四人の次郎、最後の一人きりの次郎は、次郎命だけ残されたアザミで締められた。

当て屋の椿
著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿17巻

 

 

 

新たな次郎殺しで騒がしいのをよそに、女に振られて泣いている兄のために酒を飲ませてあげようと思った菖蒲は酒屋に行っていた。

 

そこで見せられたのは、強い酒が燃えると青い炎になる不思議。

 

焼酎は使い慣れてるはずの彫師も青い人魂のような不思議に思わず腰を抜かしてしまうと、恥ずかしいやらばつが悪いやらで、手近な菖蒲に八つ当たりするが、スベスベの尻にハッとさせられた。

当て屋の椿
著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿17巻

 

 

このだらしない彫師、酷い目に遭った赤ん坊の頃の菖蒲や、妹のために身体を張った侘助をよく覚えていた。

 

 

 

その頃、鳳仙は別の脱がない女の噂を聞きつけ、とある岡場所の一室で噂の本人と相対していた。

 

 

身体を縛り、ほっかむり、恥ずかしき身の因果と語り出そうとする女。

 

かと思えば蓮っ葉な物言いで、鳳仙のイチモツが程良いデカさであることを願う女こそ果たして、侘助が捜している楓その人なのか。

当て屋の椿
著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿17巻

 

 

腰まで届く長い髪とたわわに実った乳房には、子供の頃の面影はなかった…

 

 

感想

当て屋の椿17巻でした。
面白度☆8 思い出は美化度☆8

どうにもスッキリしない次郎殺しでしたが、菖蒲が健やかに清らかに育っているのは何より、楓も準レギュラー化してくれると面白そうです。

侘助の過去編に続き、女衒が新たな少女たちを連れてくるところから、新章に突入しました。

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