215話
いきなり一人が爆散した車両メンバーはパニックになり、慌てて荷台から駆け下りた。
何がどうなって殺されたのか訳が分からず、動揺しまくっていうるうちに、黒くて長細くなったエリックは淡々と歓迎の挨拶をした。
黒い狼煙のようなものは地面でうにょうにょ動き、それが枝分かれしていくとまるでハートレスみたいに個別に人型を形成していく。

得体の知れない敵が増えていくが山田は構わず指示を出し、一発砲弾が黒煙にぶち込まれた。
ほとばしる黒い何かは被弾した部分が形を変えはしたが全くダメージはないようだった。
これは自分の矢も効かないと察した山田は、何でできているのか分からないが、液体系なら矢は無力だといい、碇に戦うか撤退かを迫った。
そうこうしているうちにハートレスはじわじわと距離を詰め、突入部隊を包囲していく。

すると我慢できなくなった一人が友の仇だとマシンガンをぶっ放したが、液体金属ターミネーターみたいにハートレスには通用しない。
しかし山田の矢は少なからず通用するようで、射貫かれたところが吹っ飛ぶも、しかしすぐに再生してしまう。
エリックはあえて一気に襲いかからず、じわじわと距離を詰めることによって恐怖を煽り、ピンチを切り抜ける思考を促し、時間を与えようとする。
それは考えさせ行動させることによって、更なる進化情報を生まれさせたいからだった。

この一分一秒にも進化情報を吸収していったエリックは、更に異形を進化させていく。
もうどうしようもなさそうな状況だが、碇は全く諦めておらずにむしろ目がより輝いたようであり、市民を守る者として、一歩前に進み出た。
強気でいられるのも、こういうややこしい敵にも対処できるよう、高火力の火炎放射器を準備してきたからだった。
物理攻撃が効かない液体系といえども、高熱に包まれ続ければ形を維持するのは不可能と見た機転が利いた攻撃で、不定形な液体だからこそより効果的だった。

可燃性液体と共に炎に焼かれたハートレスは、確かに確実に燃えカスに変わっていく。
作戦成功でニンマリ戦況を見つめている碇だが、ドヤ顔の分だけ隙だらけだった。
こうなることも想定内だったエリックは、予定通りに自分の一部を切り離してゴキブリのように碇の背後に回り、寄生獣が本能的に動くように頭を狙った。
不穏な気配に気づいたのは紗月だけで、黒い寄生獣が碇の背後でうにょうにょしているのが見えて叫んだのも間に合わず、それは耳穴からにゅるりと入り込んだのだった。

感想
インフェクション213話214話215話でした。
パワーアップした変異体の無双になるかと思いきや、冷静沈着な山田の一発で形勢逆転となりそうですが、そこまであっさりしてはないでしょうね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/78811



































