30話
車内に触覚が突っ込まれてまさに一触即発な空気が立ち込める緊迫感の中、走り屋の血が騒いだジュリアが自己判断でエンジンをかけ、車なら逃げ切れると自信満々。
こうなったらもう本気で逃げ切ってもらうしかないが、即座に飛翔したカマドウマに一発で踏みつけられて横転。

横滑りでガラスも粉々に砕け散ると、また触覚が差し込まれてきて万事休す。
ジュリアが声にならない悲鳴を上げる中、睦美は素早くゴマさんリュックから何かを取り出すと、それを嗅がせるように触覚に近づけた。
するとカマドウマは激烈に臭い物を嗅いだようにパニックに陥った。
しかし直後、もう一体が傍に飛び降りてきた。
この二体だけが潜んでいたとは思えず、何体もに一斉に飛び掛かられたら確実に踏み潰されると判断した睦美は、最も近いコンクリ製の建造物を訊ねた。

一番近いのは完全に土砂で埋まるのを防ぐため、トンネルの崖側が塞がれていない作りの洞門がある。
そこへ避難することにした睦美はさっそく、さっきのハッカ脳をエタノールで溶かして混ぜて即席の防虫剤をこさえた。
清涼感がある夏の虫除けに最適なそれを素肌と衣服に擦りつけ、揮発した忌避成分で身を守るのだ。
睦美に言われるまま、その真似をしたジュリアも丹念に刷り込み、下乳の裏にもしっかり塗り込んでいく。

勇敢な虫博士の睦美はここでも、自分が囮になって先に二人を逃がすつもりだった。
先に飛び出してメガホンで睦美が注意を向けさせた隙に、二人は急いで洞門に走った。
二体に囲まれ身を低くした睦美は一体、カマドウマのどんな習性を利用するつもりなのか。

二匹のカマドウマに挟まれながらも触覚に触れないよう注意し、音を出さないようにハッカ脳の効き目を確信しながらジリジリと地獄の包囲網から抜け出していく睦美。
ジュリアと葵は指示通りに無音で確実にトンネルに避難しようとしていたが、迫田からの着信で着ボイスが鳴り出してしまった。
静まり返った山道で着ボイスの声は凄まじく響き渡り、睦美を挟んでいた二匹が一瞬で二人の背後に飛び降りた。

更に山中に潜んでいた奴らも次々と現れた。
しかし二人の大ピンチでも睦美は数が増えたのならチャンスと捉え、メガホンで叫んで自分の方に誘い込む。
こっちを向いてくれれば二人にトンネルまで急がせると、メガホンのサイレン音を最大にして放り投げた。

思惑通り、音が大きいほど正確にその場所に着地することができるカマドウマは次々にジャンプし、夜空に風切り音を奏でていく。
そしてピッタリメガホンに一匹目が着地すると、二匹目三匹目と折り重なっていき、巨蟲になった超重量級の重さが仇となり、お互いで潰し合った。
本来は軽い体と凄まじい脚力で大ジャンプをするのだが、大型トラック並の巨体では自爆も当然だった。

しかし、ここはまだまだカマドウマのテリトリー内だ。
感想
大巨蟲列島29話30話でした。
せっかく助かったのに、ホラーの定番で看護師はあっけなくお亡くなりになって可哀想ですが、どうにかジュリアたち主要メンバーの犠牲はもう見たくないですね。
キャンプ場のトイレにいっぱいいたのを思い出しました。
「大巨蟲列島」ネタバレ最新8巻31話32話。枕営業されるほどのマスゴミ記者!ついに万事休すの美少女蟲博士…
































