28話
ミキが衝撃を受けたのもなんのその、一行は建物の中に案内されて絵理沙を話を聞かせてもらった。
イザナミ初期に医療従事者の一人として率いていた絵理沙とは思想の違いこそあったものの、よき仲間だったと教えてもらった彼は満足した心地になった。
そんな思い出話は一旦横に置き、木根淵の返還と薬草採取の許可を求めた。

薬草採取は程々ならばとすぐ許可してくれたが、木根淵を返すことは受け入れられないという。
ミキの夫で子供もいるのだからと彼が正論で食い下がったその時、渦中の木根淵が現れた。
どうやらイザナミが彼を独占しようと軟禁しているわけではなく、木根淵自身の意思で妻子の元には戻らないらしいので、ここは夫婦で話し合ってもらうことにした。

空気を読んで二人きりにしてあげてから、天才姉妹が自分たちで薬草を採ってくると請け負ってくれたので、明日の船で合流することにして、二手に分かれた。
特にやることがなくなった怜人たちは、どうしても目に留まる男性陣から話を聞いてみることにした。
同じ男として興味を持った怜人の質問に快く答えた彼らは、ここの生活を楽しんでいるという。
地方に移住して大成功したパターンのように充実しているらしいが、さすがに男性機能が回復したり性欲でムラムラしたりといった恩恵まではない様子。
むしろ性欲がなくなって清々してるとまで言い切り、モテる努力だの女の視線を気にするだの、マウントの取り合いだのがなくなって気楽だし、下心なく接するから女たちの態度も優しいという。

ビフォアワールドでは明らかにモテていたように見えないタイプだからか、モテに執着しなくなった世界とこの自然のままに暮らす生活にハマったのか。
何とも物悲しい気持ちになる怜人一行だが、村の維持と繁栄には最低でも勃起したりの生殖能力が不可欠だし、子供も欲しくなるだろうと突っ込んだ。
しかしその辺の子孫を残そうという本能的欲求さえ、彼らは失っていた。
自分の子供である必要なんてないのだから、この村にはたくさんいて全員で育てていて誰もが親なんだと清々しく言い返し、生物としての機能を人工的に奪われたのはスルーしてこれぞ人間だと言い放った。

しかしこのままでは人口激減で文明は崩壊していくと桜が指摘するも、それはあくまで人類の都合で末端平民にとっては、自分や周囲の幸せが最優先だと、納得もできる返答をされた。
その時、ミキが戻ってきて泣きながら夫を説得できなかったと告げられた。
娘のアルバムを見せて説得にかかってもダメだったと言われても、じゃあ帰ろうとはいかない怜人は、今度は自分が説得してみることに。
木根淵は村が一望できる丘で黄昏ており、怜人と話せるのを楽しみにしていたという。
九州に多くある集落を転々として過激派に居所を掴まれないようにしている木根淵は、妻を泣かせたばかりでも、かつては肉奴隷にされていたのも気にしてない様子で、穏やかな語り口のまま。
元々社会一般の常識に囚われたくないタイプだったのか、ミキと連絡を取らなかったのは元の生活に戻るのが嫌で、一夫一婦制の価値観も捨てていた。

管理社会でまさにシステムの奴隷のような生活に疲れ切っていたからこそ、さっきの男たちと同様、モテない以外はイザナミ生活が性に合っているのだ。
そしてイザナギとして子作りセック〇しまくっている時は二重人格の感覚で、元に戻った時に快感を得られるという。

倫理や社会常識で抑圧されていた欲望の解放。
それこそ木根淵の本性で元々ヤバい奴だと自己紹介したところで、怜人にもこっちへの移住を勧めたのだった。
感想
終末のハーレムアフターワールド27話28話でした。
久しぶりの聖心祓穢でしたから、幹部たちの現在も早く見たいですね。
「終末のハーレムアフターワールド」29話30話ネタバレ最新話修正前31話。ヤリまくり村生活か社畜か…復活のカレン!

































