256話
復活した中には菊地もおり、本当に久しぶりに再会した晴輝たちを爽やかな笑顔で迎えた彼は、きららをケツ出し女とからかい、一瞬で緊張感を取っ払った。
ともあれ晴輝は、保菌者騒動初期も初期の子供だった態度を詫び、菊地が寛大に受け止めてくれるものだから、女性問題を抱えるようになったことを明るく白状し、人殺しまで打ち明けた。
きららがすぐ正当防衛だと弁護するも、晴輝は構わず母親が犯人だったことも明かし、変わり果てただろう自分をしっかり見てもらった。
しかし菊地はらぎ姉や高木の安否を尋ねると、また爽やかな笑顔で後輩の不安を取っ払ったのだった。

ただ菊地の答えに戸惑ったのはきららで、自分だけ晴輝が違って見えているかも知れない、これからはもっと遠いところに行ってしまうような予感を覚えた。
続々と復活者が集まって整列していく様子をゆったり我が子と眺めていた麗は、さすがにこの一カ月を覚えていないだろう愛息に早く大きくなれと話し、背中を追える天宮家の子供たちを目に焼き付けさせた。

勢揃いしたところで螢は話を始め、最短の会議方法が理解してもらえてるとしても万が一にも揉めないよう、改めてどんな結論が出ても、その策に自分も含めて必ず従ってもらうことを念押した。
もし命乞いが最善策だとなったら、香里をエリックに食わせることになるが、螢はそれでも受け入れると宣言した。
果たして合理性を極めながら感情が伴わない会議方法が行われ、一瞬で千人の知恵による答えが導き出された。
その答えに螢は思わず口を噤んで緊張したが、すぐに意を決して紗月に考えを全員に送って欲しいと頼み、発表した。
彼らが出した結論、それは晴輝とエリックの一騎打ちだった。

あまりに単純な、悟飯とセルの決戦のよう。
程なくバリアの突破口を見つけるエリックは黒霧でじわじわ侵食してくるはずなので、バリアの範囲を狭めてより強固にし、破られる時間を先延ばしにしつつ、晴輝一人をバリアで覆って黒霧の中を掻い潜って抹殺してもらうというものだが、進化情報を無効化できる能力があるからこそ託せる一騎打ち作戦だった。
たった一人に命運を任せる一か八かの内容だが、戦闘力と経験を考えても、晴輝が適任と言わざるを得ない。

これに唯一異を唱えたのは彼女のきららで、最後の最後まで晴輝に背負わせることを非難したが、彼女自身もこの答えを導き出した知恵者の一人でしかない。
それに託された彼自身が逆に彼女を笑顔で宥めるものだから、もう何も言えなくなった。

今後の準備を螢がサクッと指示すると一行はぞろぞろと動き出し、笑いさえ起きた。
するときららは始まりの場所になった用具倉庫に彼を誘ったのだが、いつの間にかスカートを穿いている彼女の用件とは一体…

































