204話
血も涙もない殿上人じみたリーメアリーの言い草にイラつきながらも、進めるのは千年も人通りがない悪臭漂う地下水路だけ。
頑丈そうな鉄格子も蹴りを入れれば簡単に壊れるくらいだから、確かに誰も出入りしてない様子。
お先真っ暗な感じで早々に外の光が届かなくなり、灯りをつけながら進んで程なく、悪臭で鼻が曲がりそうになるも、ルーミは悪臭の元が人肉の腐った臭いだと気づいてしまい、もうこれ以上は進みたくなくなった。

それでも目的を達成するためにはこのルートしかなく、彼が先導した直後、トビウオよりもアグレッシブな禍々しい魚が飛びかかって来た。
ルーミの一閃で噛みつかれずに済んだが、悪臭に加えて人を喰う食人魚とかいう厄介過ぎる魚だった。
しかも人しか食べない偏食だから、二人は既に胃の中に入り込んでいるようなもの。

だからより緊張感を持って進んでいくが、しつこく飛びかかられてその度に斬り捨てるのを繰り返していると、さすがに慣れてきたものの、その数がうざったい。
しかも悪臭は増すばかりで、さすがのルーミも恐怖で弱音を吐くが、彼は進めないならないなりにこの先の状況を確かめるべきだと励ました。

それでも、ルーミはどんな光景になっているのか嫌でも想像できていた。
その予想通り、これだけ食人魚がわんさといるのだから、死体の山におぞましい魚が群がっている光景が待っているだけだった。
悪臭と恐怖の元を見てしまった以上、これ以上進むのは悪手にしかならないと判断し、引き返すことにした。

人の血を吸って若さを保つ国母の食べ残しがあの水路に捨てられ、食人魚の餌になっていたという構図。
水路が使われていなかったのは外に繋がる方だけだったのだ。
死体の山に死臭にと参っている様子のルーミは、国母の本性をその目にしたことでもキテいるのか。
とにかく城の中に入る別ルートを探さなければならないので、彼が宿に戻って仕切り直そうとしたその時、麩菓子みたいな鎧騎士が立っていたのでちょっと硬直してしまった。

激しく息を荒げ、今にも食人魚みたいに飛びかかってきそうな奴がまさか、変わり果てたナクタだと二人は気づけるのか…

































