222話
美依那が説教を食らわせた後、千歌は目的である仲間入りの勧誘を持ちかけた。
同じメデューサとして冬雪に怒りや恨みはなく、殺人鬼に仕立て上げた連中がいることを説明しようとするが、鼓膜を破った影響で頭痛に襲われたので、小夜子が役目を代わった。
弟についてや千歌たちの正体に全く気付いていない遥香のため、自分たちも人殺しでメデューサ症候群と言われている連続殺人鬼だと白状した。

絶海の孤島にある羽黒刑務所。
そこで行われているのは刑務に紛れた殺し合いの実験。
外に出ても命令のままに強制的な人殺し。
犯罪史に名を遺す殺人鬼の因子。
それら悪魔の所業を行ったのは五菱という大企業であり、その相手に復讐するために動いていることを小夜子は説明した。

そして今この街で冬雪と関わったのは、五菱の手先になっている東犀しげおを始末するためだと。
薬とVRというキーアイテムを聞かされた冬雪は大いに心当たりがあり、何度か治療と称したその催眠を思い出して悲しい目をした。
しかし真っ先に怒ったのは遥香で、自然と出た方言で怒りの言葉が搾り出た。

座員の一人が首を吊って事切れているのを見つけたのが遥香で、足元にいながら気を失っていた冬雪に事情を聞いても覚えていないの一点張り。
しかし残されていた動画を観れば一目瞭然、冬雪の悪魔の囁きで自ら首を吊っていたことが分かっても、同じく座員の鞍馬が隠蔽しようと言い出し、座長らが同意したのが始まりだった。
結果、新たに馴染み客の死体が増えるばかりになり、その原因が善人の顔をした東犀病院だと聞かされた遥香に怒りと悲しみがこみ上げる。
ともあれ真相を知った冬雪は、千歌たちの復讐に乗ることを受け入れた。

仲間を殺し、贔屓のお客さんを殺したのはしげおのせいだが、死体に美を感じる異常性は幼少の頃に目覚めた元から持っている性質。
復讐のために一座から密かに抜ける覚悟は決めたが、せめて今月いっぱいの千秋楽まではやり切りたいという冬雪の役者としての思いを汲み、千歌たちは待つことにした。
こうして話がまとまった直後、霧子たちから電話がかかってきたのが、しげおを逃したという報告は予想していないものだった。

目撃者もいない高速道路上の暗殺に邪魔を入れた、まさかのチンピラグループ。
しげおが轢き殺されていることを祈るばかりだが、現時点で事故のニュースは舞い込んでいなかった。
そのしげおはリベンジャーズに囲まれたのだが、指を一本失い、高速道路に転げ落ちてなお、チンピラたちを圧倒できるほどに強かった。
しかも速攻で復讐しに来たチンピラのアグレッシブさを金で買い、まずは医者らしく指を繋げるためにタクシー代わりに使おうとしていた。




































