豚の復讐8巻
オークの労働力はちょっとした重機並みで大助かり、タケシ以外には見分けがつかないことがコッラにとってややこしいところなので、いつも行動を共にする一体には特別に名前を授けて解決。
その時、王女が責任感からの過労で倒れてしまう。
ゆっくり休んで回復してもらうまでの間、代わりに求心力を持って政治を行ってもらえる人材が必要となると、王女が妹ラーテは知識なら自分より政治に適任だという。

ただ知識の吸収に貪欲で知恵も回るせいで、貴族の悪行をしっかり取り締まったものの手段が強権過ぎて、今は修道院にぶち込まれてしまっていた。
それでもラーテの行いが真っ当なものだと後から分かって王都に戻る許しは与えられたのだが、彼女は修道院の本を読み尽くすまで帰る気はないらしい。
型破りで異例な方法を取ったが、間違いなく国を豊かにしたラーテ。
姉王女のお墨付きがある人物を迎えに修道院までの旅に出たタケシ一行は、院から命懸けで逃げ出し、ラーテの救援を乞う手紙を携えた修道女と出会った。
やはりだが運悪く、修道院も憎きおぞましき勇者気取りの外道が支配しているようだった。
その一人は絶妙なブスなのに可愛いと思い込み、アイドル気取りで極太な太ももが暑苦しい女だった。

見た目と性格もブス、歌唱力下、スタイル最悪、カリスマ性無。
人気アイドルになれる要素がない色物モンスターはまさにジャイアン、歌声で死に至らしめるスキルを持つ承認欲求の化け物。
聴力がいいほど相性が悪く、オークやラドガは近づくのもままならない鬱陶しい相手だが、さっそくラーテが接触しに来てくれて、潜入することに成功した。

ラーテによれば、奴らは数日前に現れてあっという間に支配した。
男女で棟が分けられ監禁、逃亡が発覚すれば連帯責任で順番に殺されていく恐怖システム。
そしてこうしてまだ存在を気づかれずにいるラーテは、誇りある王族として民を置いて逃げる気はなく、だから救援要請を託したのだった。

男たちがブスに支配されていれば、女たちはゲスに支配されていた。
思考回路が股間でできているとしか思えない性欲クソメガネは、この世界をゲーム感覚で楽しみ、いずれ安田も始末して全クリすると息巻いている野心の男。
そしてクエスト気取りで女たちにさせているのが、強制集団オナニー披露会で、どうやらエロゲー愛好者っぽく、モテないことも暗に自己披露していた。

命を尊厳を奪われゆく民の姿を見ているからこそ、怒り心頭で我先に逃げるなどあり得なかったラーテ。
もちろんブス女にも相当な恨みがあるタケシは、またいい作戦を思いついた。
芸能スカウトさえも困らせるモンスターは、前向きで自己肯定感が異常に高いのがまた厄介、自分の中で完結してくれればいいが、承認欲求が満たされないと暴力性とヒステリーが発揮されてしまう。
そしてタケシとには似ずに美少女に生まれた妹は逆恨みされ、ブスも放火に一枚噛んだ。

クソメガネ佐々木のスキルが分からない現状、まずはブス未華子から始末する各個撃破が最善と考えた。
まず疲弊し切っている男たちに接触して、王女が頼る人物という権威で信頼を得ると、作戦を伝えて翌日のジャイアンリサイタルに備えた。
とにかく口から出まかせでおだてれば豚も木に登る要領で、ブスの気を良くさせて油断を誘い、最高に気持ちイイライブに浸らせて最高潮の中、作戦の肝に誘導する。
そしてブスデブはミュージシャン気取りにもなってダイブし、見事により醜い顔面になりながら画太郎先生をリスペクトした。











































