聖母の断罪3巻
式見を始末して一週間、真里の心配は快楽堕ちさせた半グレ飯島の行方が分からなくなったことだった。
殺してしまうのが手っ取り早い、しかし復讐の対象はあくまで愛息子を追い込んだ悪鬼共に限らなければならないと、桐崇の幻影に囁かれることで思い止まった。

結果的に飯島捜索という仕事が増え、奴が悪事を働いていたクラブに踏み込んだことで、鬼怒川と鉢合わせてしまう。
脳筋なりに勘は鋭く、式見が学校で最後に接触しただろう真里に多少なり何らかの疑いの目を向けていた。
だから真里は理解のある養護教諭を徹底的に演じ、式見の行方不明に一定の責任を感じている大人として振舞うと、まだ確たる疑いを持てていない鬼怒川は大人の女の涙を信じ込んだ。

そうして何食わぬ顔で鬼怒川がどこまで把握しているのかも訊き出そうとしたその時、奴の視線が特徴的な飯島の後頭部を捉えた。
瞬間、躊躇なく飛び蹴りを食らわすが、運の悪いことに髪型が同じだけの全くの別人で、それもそれで紛らわしいとブチ切れて傷害罪を続けるクズは鬼畜のくせに、クズ仲間はもうこの世にいないと察し、涙を流すのだった。
客に用心棒に暴力を振るって騒ぎを大きくし、タイミング良く現れた警察。

飯島の行方を探していた一人が皮肉にも真里の元夫、流だった。
その数奇な運命に真里が直面した矢先、山中に埋められていた飯島の遺体が発見された。

警察は式見失踪と関連があると察しているが、飯島が誰に恨まれていてもおかしくないことから、さすがに真里への疑いはまだ持っていない。
そして鬼怒川の様子から鬼畜共の犯行でもないとすれば、真里は第三者に見られていた可能性を否定できず、キモすぎる豚教師を性処理で篭絡した気持ち悪さが今更、元夫への罪悪感に変わって泣きたくなった。
それでも名を変え顔を変え既に手を汚した以上、死ぬべき連中を全て消すまで止まる訳にはいかなかった。

果たして、すぐ見つかってしまうように飯島を殺して雑に遺棄したのは誰なのか。
飯島が消えてメリットがある真里にとって、犯人が接触してくるだろうことを見越して警戒した矢先、接触してきたのは小和瀬に凌辱されていたメガネっ娘の八島だった。
小和瀬がまた八島を犯そうとした時に拉致った真里は見られていたのかと焦るが、ただ自分が小和瀬と最後に一緒にいただろうことを警察に明かしていない後ろめたさを、優しい先生に告解しに来ただけだった。
ホッと一安心した真里は抱きしめて慰め、心の重荷を取ってあげようと共感したことで、大きな可能性に気づいた。

飯島を殺って自分を助けたのは、桐崇と同じ境遇だった人間ではないかと。






































