違法性と善悪は別物
その書面にあった名前、住所、果たして稲生には全く心当たりのない赤の他人だった。
プロバイダ契約者が家族でアカウントは同居の誰かで知人という可能性もあるが、ネットはどうしても顔も名前も知らない他人との繋がりが圧倒的多数。

ともあれ住民票を取って刑事告訴に踏み込める段階に来た。
大学時代の体育会系パリピサークル仲間との忘年会に出て、酒を流し込む稲生だが、今はもう泉狙いをイジられても元気も出ない。
しかし犯人の名前を漏らしてみると、サークル仲間に覚えている奴がいたのだった。

やはり稲生が忘れているどころか全く覚えていなかっただけで、過去に少なからず関わりがあったサークルの後輩だった。
なぜ稲生はここまでされることになったのか。
全く覚えていない相手だからこそ、無自覚に傷つけてしまったのではないか。
とにかく怒りと被害者意識しかない稲生はブチ切れ、運良く犯人の居所を突き止めると、泉にはパパっと連絡して突撃。

ここまでの仕事をふいにされる恐れが出た泉は、風呂上がりの部屋着でも飛び出した。
被害者から一転、傷害加害者になりかねない稲生を止めることはできるのか。

無自覚に人を傷つける。
それはいつどこで誰しもがしてしまう可能性を秘めた行為。
それが擦り傷にもならない程度で済むか、愚かさに気づいてすぐフォローできれば、ここまで拗れることはなかったのかも知れない。

なんだかんだなりすまし案件は決着を見ることになり、稲生は弁護士としての泉に感謝申し上げた後、別に募らせた想いも打ち明けたのだった。
そして泉は、表紙のニャンコたちと出会って新たな幸せを見つけた…

感想
しょせん他人事ですから5巻でした。
面白度☆8 無自覚攻撃度☆9
自分の価値観やノリだけで他者と接すると敵しか増やさない、それがよく分かる案件でした。

































