路傍のフジイ2巻
映画、ドラマ、舞台、モデル、順風満帆な芸能人生を歩んできた久野がインタビューを受けていると、高校時代にスカウトされた話でふと、ある同級生を思い出した。

久野は転校してその学校に入ったが、高身長と整った顔立ちのせいか逆にチヤホヤされることもなく、スッととけ込めなかった。
その頃に芸能事務所からスカウトされたのだが、同級生だったフジイの一言で背中を押された。
それでファッションに興味が湧いたことで、他のおしゃれ好きな同級生とも接点ができた矢先、今度はフジイが転校してそれっきりになっていた。

久野がいい歳の大人になってふとフジイのことを思い出した頃、フジイはきっと10年20年会っていなくても、友情を感じていただろう…
10話
台風で暴風雨が吹きすさぶ中、フジイは知り合いから頼まれてフリーマーケットの準備を手伝うため、近所の体育館に足を運んだ。
徒歩で迎える距離のフジイを含め、何とか来れたのは合計4人。
この天気で明日に開催できるのかも怪しい中、何とか作業を進めて深夜に突入する頃に完成しようかという時、肝心の看板がぶっ壊れてしまう。
ただまだ台風も治まっていないのなら、学生時代の文化祭の気分で、大人たちはもう少し頑張ることにしたのだった…

11話
フジイが手ブラでケーキとお茶を楽しみ始めると、隣の席の男が唐突に話しかけてきた。
漫画家デビューを果たしたばかりの人懐っこそうな若者と、僅かばかりの会話を交わしたフジイの今日の予定は、田中と石川と我が家でタコパ。
すっかりフジイに懐いた田中と、彼に興味と好意のようなものを抱く石川。
そしてお約束の卒業アルバム鑑賞から、個人的な思い出写真を見ていくと、フジイの大学時代の彼女との写真を発見。

ただ良い別れ方ではなかったのか、フジイの声と表情は全く弾まなかった…
12話
フジイにも大学時代に彼女がいた。
ただそれは彼にとってのロマンスではなく、その他大勢の学生とは明らかに違う彼の特異さに興味を持った、男勝りな同期生からアプロ―チしただけの、一方的な気持ちだった。

彼女の勢いを拒み切れずに始まったカップルという関係性は、誠実で正直な彼を落としきるまでに終わりそうなのを、彼女自身が察していた。
13話
恋愛感情がないのか、恋に至る到達点が遥かに高すぎるのか、そもそも性欲的なものはないのか。
恋愛感情で付き合ったわけでもないし、今もそうではないことに嘘を吐けない。
傷つけないための優しい嘘さえ吐けない正直さは、美徳であり冷血だった…

14話
野球中継に影響されてバッティングセンターに行けば、野球少年たちに小バカにされ、玩具屋で高いところの商品を見知らぬ子供に良かれと取ってあげれば、躾がなってない様を見せつけられ。
書店員の態度はクソ悪く、公園で鳥の写真を撮っただけで子持ちママたちから不審者扱い。

だからたまには誰にも当てはまりそうな適当なことを言っているだけっぽい、占い師のアドバイスを実践してみようと思いたくもなるが、やはり自分の気持ちを曲げないのがフジイだった…
15話
コピーライターとして一定のプライドがあり、同僚からの褒め言葉は素直に受け取れない松岡。
ライターやデザイナーばかりの社内で、特に何のスキルもない総務だが実質は雑用係のフジイと遠方のお得意先に行くまでの間で、既にフジイが軽く見られている意味を察する。
しかし時間が経つにつれ、フジイといてもストレスがなく、自然と言葉が紡げるようになっていた…

16話
デリカシー皆無、女も他者も下に見ている男、それが外山。
石川を狙いつつもパパ活の噂が出てからは、身勝手に冷めたとほざきつつも、ワンチャン狙ってアプローチを仕掛ける浅ましさも発揮。
人を自然に見下し、不快にさせる自分に気づいてないおめでたさに石川は辟易させられるが、仕方なく一回だけ誘いに乗って食事に付き合ったことで、不快を通り越して憐れさを感じるのだった…

17話
両親両方に似て生まれたフジイは守と名付けられた。
幼少期は特に他者とのコミュニケーションにおいて心配されもしたが、無償の愛のように年下の子に優しくしている姿で、親の心配を消し去った。
やがてフジイ少年はおっさんになり、父親も年老いて入院中の老人に…

































