268話
千歌を身を挺して庇った小夜子は血を吐き散らした。
愛ゆえの自己犠牲。
しかし桐生の掌打の破壊力は凄まじく、小夜子の身体も突き抜けて千歌まで衝撃が伝わった。

僅かなやり合いで全員が満身創痍。
たった一人の狂人に対し、太刀打ちできない殺人鬼たち。
小夜子と千歌に止めが刺されそうな中、女医はは新メデューサたちの爆弾を解除したと伝えた。
サクッと解除できたのは助かるが、彼女らには伝えられてないことがまだ頭に仕込まれていた。
それは彼女らを一つの個体として戦闘力を飛躍的に上げられるギミック。
女医がポチっと作動させた瞬間、新人3人とカチュアの電気信号が共鳴した。

直後、3人が一斉に桐生に躍りかかった。
さっきまでとは別人のような雰囲気、それぞれを信頼した迷いのない攻撃。
一発目の打撃は苦も無く受けた桐生だが、一人だけ距離を取った銃撃にはまさにギリギリの回避で運要素もあった。

やっとダメージを与えられたのは、彼女らの連携の練度とそれぞれの攻撃の鋭さが一気に増したからだった。
間髪入れずにプロレスラーがラリアットで突っ込み、躊躇なく首筋にも噛みつく連撃で追い込む。
二人の殺人鬼の強みが発現したことで、そのまま強さも一段階上がったよう。

そうして一人でも対抗できるようになれば、他の攻撃も難なく当てられるようになる。
スライディングキックで桐生の股間を蹴り上げたのは、また二人の殺人鬼をミックスさせた故の強さ。

それぞれが強くなったことに加え、連携度ががまるで三つ子が長年に渡ってトレーニングしてきたかのよう。
3人なのに6本手足の人外を相手にしている気分の桐生が解せないのも当然、これは女医が秘密にしていた仕組みで、彼女らは超発火によって視覚を共有しているような状態。
その指令を出しているのがカチュアだった。
ただ桐生も伊達ではなく、観察してカチュアが司令塔だと見破ると標的を絞った。
この中では片目がなく義手も潰され、一番ダメージがデカいカチュアが容易く倒せそうに見えるが、そう思われてどこを攻撃してくるかもカチュアは読んでいた。

そして内部破壊掌打を超振動の手の平で受け、カウンターバイブを食らわしてやったのだった。



































