ファミリープラン3巻
仲間とは呼べない運命共同体、誰かがゲロったら、ミスったら、一緒に塀の中に行く可能性大の銭ゲバ共の集まり。
梅沢は始末されかけたが、身内の病院で治療され、しばしの入院生活を経て戻って来た。

血まみれだった時からしばらく、また顔を合わせた男3人、優介は金遣いが荒い危機感のない夫婦と情緒不安定なおっさんが何をしでかすかと不安でたまらないが、穏やかに冷静に罵詈雑言を我慢して、とにかくどこから嗅ぎつけられるか分からない危うさを説くのに努めた。
目下、奥山と梅沢の繋がりから捜査の手が伸びるのが最も現実的な崩壊路線。
優介は意外と古臭いアパートの奥山の部屋に忍び込み、自分たちに繋がる証拠を隠滅することにした。
一方その頃、石橋陽子は誰よりも非情に金にがめつく、夫の高飛びの案を飛び越え、梅沢と優介を始末すれば簡単だと、どこから手に入れたのか銃を披露した。

数奇なタイミングで、優介が忍び込んだタイミングで梅沢のように騙されたらしい被害者が大家と警察を連れてやって来た。
あわや不法侵入から人生終了しかけた優介はギリギリで切り抜けたが、やはり彩乃のメンタルが最初に崩壊しそうだった。

奥山を失い、騙されていたことを知り、死にかけ、血の繋がった家族に疎まれ、生きる意味を失いかけていた梅沢。
ただ偶然、声をかけられたソフト風俗店で酒を飲み、若い女性にキャッキャと持て囃され、金は十分に持っていることをアピールして生乳を見せてもらえば超単純、ちょっと前まで不能になってしまっていた股間が瞬時にフル勃起した。

梅沢の浮き沈みが女次第だと確定した頃、彩乃を落ち着かせるために優介は金で崩壊した両親について打ち明けることにした。
金がないないと喧嘩が絶えない両親、酒を飲んでは惰眠を貪る父親、ヒステリックな母親。
友達にもバカにされた優介はささやかな努力を試みてすぐ、宝くじで大金が転がり込み、どんどん散財することで束の間の幸せが訪れた。
しかし計画性なくバカみたいに使う事しかできなかったことで最悪の結果を招き、優介は一人取り残され、同じ血が流れている一族に毟り取られて終わった。

つまり、石橋家もかつての松本家と似たようなものだった。
特に陽子はマウントを取らないと死んでしまうのかというぐらい、陰口を叩かれることくらい十二分に理解してるのに、成金っぷりを見せびらかさずにはいられなかった。

息子の春人も調子に乗って子供のくせに金でマウントを取ったばかりに、イジメの対象に急降下。
陽子が二人を殺してでも金を独占して、また計画性なく他のアジアに飛ぼうと焦っているのは、もちろん奥山に止めを刺したこと、それを自分だけで抱えている恐怖とストレスのせいだった。
その矢先、奥山が結婚詐欺師で彼女と騙し取った大金が行方知れずなことが、雑誌にすっぱ抜かれた。
優介が忍び込んだ時にちらっと見た、結婚詐欺被害者の一人がきっかけで世間に明るみになったのは間違いないが、まだこの3組とは関連は一切分かってない様子でもある。
そして詐欺被害者の一人で少し前まで絶望していた梅沢は、どこぞのアジア人らしい女性と仲睦まじく現れ、あまりの浮かれっぷりに一行を絶句させた。

確実に追い詰められていく中、唯一、失敗を糧にしようとしている松本家に不安の手が伸びてきた。
週刊誌の記者が奥山がガイドしていたトレッキングツアーの参加者に訊き込みしていて、松本夫婦に接触してきたのだ。
一人で応対することにした優介は奥山の正体など何も知らなかったのを装い、どこまで調べが進んでいるのかを探ることもできた。

しかし嫌らしい雑誌記者のこと、彩乃と奥山の口論トラブルは既に知っていて、松本夫婦に何らかの疑いを抱いていた。
そして石橋一家は自業自得で家庭崩壊が進んでいた。
イジメられ始めた春人は子供にしてもう金に支配され、陽子は人殺しの業に耐えかね始め、妻と息子の追い詰められ具合を一人で慰めつつ、普通に日々の肉体労働もこなさなければならない石橋は現場で怪我をしかける。

家族3人に襲いかかる金由来のストレスを解決するのにもまた金、散財、果たしてそれは成功するのか…
ファミリープラン4巻
松本家に接触してきた、何かしらの疑いを抱いている記者。
優介が一人で対応している間にも彩乃のメンタルは疲弊し、家に置きっぱなしの奥山の遺体を処分したい欲求、しなければならない不安が爆発しそうだった。

記者が梅沢との所に行くと言っていたのも気がかりで、松本家は夫婦でまず梅沢を訪ねることにした。
そして石橋家はちゃちい床下収納に仕舞っていた金がごっそり無くなっているのを見つけ、親の背中を見ていけ好かないガキになってしまった息子が疑われた。

泡銭、疑心暗鬼、自業自得。
近所のガキ、嫌われると分かってマウントを取り巻くったママ友、そして隣人。
手あたり次第に疑った石橋夫婦は何食わぬ顔でチャイムを押し、まさに強盗として乗り込んで大暴れ。

そして何も見つけられず、謝罪一つで済ませた。
台風が家の中に入ってきたような状態にされてしまった隣人家は通報したのかどうか、一先ずサイレンの音は聞こえて来ず、石橋夫婦はフィリピン女性とイチャついていた梅沢の仕業だと決めつけ、乗り込むことにした。
松本夫婦が訪問してすぐ、石橋家もやって来るなり3人が一緒にいるのを見て勝手に裏切りのストーリーを作り上げ、いよいよ銃を取り出してブチ切れた。

あまりに思慮が浅く、欲望のままに掠め取った泡銭を我が労働の糧とばかりに執着する守銭奴の極み。
完全に自分たちの金と記憶が上書きされ、3人を締め上げて意地でも隠し場所を吐かせようと脅し、また隣人家の如く暴れて壊しまくる。
あまりにアホすぎる短絡行動の末に、彩乃に銃口を突きつけられた優介はもう気を遣うのをやめ、バカみたいに散財したから目を付けられて、どこの誰かも分からない盗人に空き巣されただけだと突きつけてやった。

その時、陽子が梅沢自身の取り分を自分たちのだと思い込んで奪い取ろうとし、梅沢が阻止しようと突進した弾みで石橋は本当に撃ってしまった。
不幸中の幸いでドアにめり込んだだけで済んだが、これだけ大騒ぎして銃声も轟けば、隣に聞こえているのは必至。
そしてドアの前には記者の勘を働かせて再訪問しに来た記者が耳を澄ませ、レコーダーを回していたのだった。

逃げる記者、追いかけるチームネコババ。
何とかレコーダーは奪えたが、優介の怒鳴りを聞かれていたら奥山の件と一致させられるのは避けられない。
あまりにバカな石橋家のせいで、もう誤魔化しきれない事態になったかも知れないが、優介は素早くまだ3グループが泡銭を失わないで済むプランを瞬時に閃いた。
と言うより、前々から考えていた胸糞悪い最低最悪のプランだった。

ここで一旦、主人公は現在50代の田島康則と言う男に切り替わる。
人間関係や恋愛など、上手くやって来れたタイプではないが真面目に愚直にそれなりに努力し、善行も積み、大きな山も谷もない平々凡々な人生を歩んできた。
しかし彼がもうおっさんと呼べる歳になった頃、細々と自営業をしていた父に病気が発覚してあっという間に逝ってしまい、彼は後を継いだ。
少年時代の完全拒絶された女子関係のトラウマが尾を引き、まともに恋愛してこなかったうだつの上がらない50代のおっさんは、あっさり女郎蜘蛛の網に引っかかった。

結婚詐欺に遭って自暴自棄になったおっさんは、ネットに蔓延る誹謗中傷クズに落ちてしまったことを自覚した。
その矢先、性懲りもなく新たな蜘蛛女にのめり込んでしまう。
父の遺志を継ぎ、母を思って家業を継いだだろうに、あまりに遅い反抗期のイキり野郎に生まれ変わってしまった田島は、さすがに新たな女は本気か詐欺かと疑いは抱いていたが、なんせ女とヤリたくて仕方なくて、性欲に脳が焦らされている状態。

そこまで鴨のメンタルを計算できなくても、劇団守銭奴の拙さが50代おっさんをマジにさせていく…
感想
ファミリープラン1巻2巻3巻4巻でした。
ただ離婚してないだけに近い、資本主義社会と今だけ金だけ自分だけの自公政権と人の業を表した、やはり気持ち悪さたっぷりのサスペンスで良かったです。



































