
変な家6巻
ネタバレ感想
変な家のネタバレ最新エロ画像(raw pdf hitomi危険)、感想、配信サイトを紹介。
陰惨な歴史を孕んでいた片淵家に関わってから2年、オカルト専門ライターとして変な家を書き起こした彼女の元に、全国から変な家の情報がもたらされた…
変な家6巻
オカルト専門ライターの彼女は、また新たな変な家の資料を持って設計士の栗原を訪ねた。
片淵家に関わり、変な家の本を出してから2年、多くの反響を呼んだ著作のお陰で彼女の元に変な家の情報が次々と寄せられるようになったのだ。

100以上もの変な家の情報を独自に調査し、何故か奇妙な繋がりを見つけた結果、繋がりの根幹にありそうな11軒をピックアップした。
まず栗原が手に取ったのは、行先のない廊下と銘打たれた一軒だった。
場所は富山県、今は取り壊されてない根岸弥生の実家には行先のない廊下があったという。
本を読み聞かせてとせがむ年頃の息子が皮肉にも変な家を選び、それを毎晩読んであげている内に実家のことを思い出していった。
住宅街にある平屋の一軒家で住み心地が悪い記憶はない、しかし一つ、どう見ても無駄としか思えない行き止まりの廊下が弥生と両親の部屋の間にあった。

どちらかの部屋の収納にするなり単純に広くするなり有効に使えばいいものを、必要性が見出せない間取りの意味を弥生は幼い時に父に訊いたのだが、愛娘に甘い父親も頑として説明しなかった。
逆に母に訊けなかったのは自分にだけ異常に厳しいだけじゃなく、どこか畏怖か恐怖の対象のような視線を向けられるていると感じた一方、やたら身体の調子を心配される異常に過保護な所もあり、特に家の前の大通りに出ないように注意された。

些細なことで怒鳴り、異常に過保護だったりの歪さは、愛情深さ故の愛し方の下手さが真相なのか。
家の完成は弥生が生まれてから半年後、綿密な打ち合わせを重ねる注文住宅の間取りを、まだ生まれてもない子供への感情や接し方を加味してまで、無駄な空間を作るだろうか。
時期的に考えれば妊娠をきっかけに子育ても考えた家の建設を決めたのだろうが、両親とも弥生が小学生時代に他界しており、推察でしか結論を導き出せない状態。
今はもうない行先のない廊下がある実家、そこで遺品整理をしていて見つけたものをパートをしていた母親のへそくりらしき68万円と、片腕と片足が折られた木彫りの人形だった。

答えが分からない奇妙な事ばかりだが、ずっと頭にこびりついて離れない弥生が打ち明けたい事はここからが本番。
それは辿り着いた正解かも知れない一つの答え、行先のない廊下は結果的にそうなっただけで、本当は突きあたりにもう一部屋作る予定があったのではないか。

一部屋キャンセルするなら誰かの個室にするつもりが必要がなくなったと言うこと、同居なら祖父母や親戚等が考えられるが、自分の部屋とほぼ同じ広さで庭に面していることから、弥生はもしかして死産した双子がいたのではと憶測を巡らせたのだ。
確かに完全否定し切れる推察ではないが、これもまた間取りを見ればおそらく元々部屋を作る予定だったと言うのも怪しく、建築途中で撮られた一枚の写真に映る供花らしきものを見れば、別の推察の方がより現実的に思えた。

もし双子のためにもう一部屋の予定があったなら、両親の部屋の窓は無くなってしまう。
部屋を作らないとなると面積が大きく変わり、資材の量、屋根の形など変更点が大きく建設会社にとってあまりに不測事態で受け入れられるものなのか。
愛情を感じられなかった母を肯定したい弥生の願望が多分に入った双子説の否定もまた推察の域を出ないが、ライターは供花は全くの赤の他人の為だと、当時の新聞記事から突き止めた。
弥生の実家を建てたハウスメーカーに問い合わせると、ライターの予想通りに当時から会社にいて建築に関わった社員は弥生のことをしっかり覚えていた。
そう、供花は亡くなった子供の供養のためはその通りだが、作業員が起こしてしまった死亡事故によるものだった。
死亡事故は行先のない廊下の外、つまり本来玄関にする予定だった方角で、死亡事故の場所から出入りするのはさすがに気持ちいいモノではないし100%建築会社の落ち度。
だから母の提案で、玄関の位置を東側に変えたのだ。

耐震性もあって壁は二枚を維持しなければならず、行先のない廊下が出来たのだった。
事故現場側を塀で塞いで見えないようにすると共に、我が子も大通りへ飛び出して事故に遭わないようにするための一石二鳥の変更。
その可能性が出て、やはり不器用ながら母は愛してくれていたのかもと弥生は思えた。
しかし、行先のない廊下ができた答えは解明できても、弥生が母に疎まれていた可能性が高いことが、建築会社と母とのやり取りで色濃くなってしまう。

68万円のへそくり、片腕片足が折られた木彫り人形の意味。
亡くなった母から真意を訊けるはずもなく、栗原も行先のない廊下の家の新たな謎に答えを出すことはできなかった。
次に精査した変な家は、闇をはぐくむ家。
ライターは建設作業員から特殊清掃業に転職して10年ほど勤める飯村達之という男性から、変な家の間取りについて詳しく話を訊いた。
静岡県で起きた16歳の津原少年が祖母、母、弟を殺害したとされる凄惨な事件、自称有識者が動機の憶測を好き勝手に吐き散らす中、津原家の間取りに犯行に至った大きな原因があるとの推察があった。

そこで津原家の間取りをどうにか手に入れられないかと思案した結果、ライターは特殊清掃業者から間取りを教えてもらおうと思い至ったのだ。
飯村は当たり前のように正確な間取り図を用意してくれたが、ライターは全く見つけられなかったのに、ネットにいくらでも転がっているという。
ともあれパッと見でも、なぜこんな間取りで建てたのか理解に苦しむ程、明らかに住み心地が悪そうな間取りだった。

扉がなく玄関から丸見えのリビング、湿気が篭りやすく臭気もリビングに流れやすい水回りの北側集中。
二階は更に酷く、無駄に部屋数はあるが奥の部屋は手前の部屋を通らないと辿り着けないプライベート無視の動線。
住めば都、しかし慣れなければストレスが溜まるばかり。
一家惨殺事件にまで発展した理由は間取りが大きな原因だと言い切るのは、元建設作業員で人の親でもある知見があってこその推察だった…
感想
変な家6巻でした。
二部も面白いですし、100%文句のない家なんて建築家の自邸でもそうはいかないでしょうね。




































