「手元のスマホを見てくだしゃい」
ふざけた口調はそのままに、生徒たちは声に従ってスマホに目をやっていく。
すると、勝手にアプリがインストールされていて、気味の悪いマスコットキャラが不気味な笑顔を貼り付かせていた。
急に始まった校内放送に瀬戸が廊下に出てきて、少し困惑している様子の服巻に声をかけた。
「なんです、いったいこれは?」
「誰かのいたずらのようですが・・・」
そう返す彼の顔には、一筋の汗が流れていた。
アプリに生徒の一覧写真が表示され、先生に選んでもらった投票結果が発表されようとしていた。
職員室にいる教師たちは慌てるばかりで、何も行動することができないでいた。
それでも、結果発表は待ってくれない。
「その結果発表は・・・飯島直人くんに一票入っちゃいましたー!」
著者名:江戸川エドガワ 引用元:エブリスタ
教師全員は無視することで共通認識を持っていたはずなのに、なぜか飯島に一票入っていた。
しかし、選ばれた以上社会的死を与えようと思う。
そう生贄くんは言いかけたが、いきなり恐ろしい形相になって怒りを露にし始めた。
「先生に投票をお願いしたら、誰も投票せず無効になると思ってたんでしゅが、
飯島直人に一票投じたヤツは、聖職者としてどうかと思いましゅよねー」
著者名:江戸川エドガワ 引用元:エブリスタ
確かに尤もな事を言い始めた。
首謀者側の身勝手な理屈には違いないが、無視すると決めたはずなのに、教師の誰かがその約束を破り、あまつさえ自分が教える生徒を陥れようとした事実は見逃せない。
そして、その教師の名はあっさり明かされた。
「ねえ、服巻正臣先生」
著者名:江戸川エドガワ 引用元:エブリスタ
余裕を持った態度で生贄投票をバカにしていた彼が、投票した犯人だった。
自分の保身のために可愛い生徒を生贄に差し出した彼。
「こんなゴミ教師には、制裁が必要でしゅ!」
6年ぶりの生贄投票最初の生贄は、教師の服巻だった。


































