明日の澄也の誕生日のカレー用にスーパーに寄って初穂は豚肉を選んだが、それは一の好みを訊いたものだった。
その後でコンビニにも寄り、彼はあの店員と軽く言葉を交わした。
夕食を済ませ、姉弟が仲良くお風呂に入っていた時、病院から電話がかかってきた。
3人が急いで病室に飛び込んだ時、父は美子に縋りついて号泣していた。
著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン1巻
通夜の夜は雨だった。
弔問客の男二人は、喪服姿の初穂に下卑た笑みを向け、連れ子の彼女はどこの誰に似たのかと声を潜めた。
父は未だ哀しみに暮れ、二階の部屋で休憩していた。
一と初穂が並んで座っていると、彼女の同級生と担任がやってきた。
担任はまた空気を読まずに慰めを押し付け、奥野は喪服姿の彼女に見惚れ、嫌がらせをした宇野は気まずいながらもそのことを謝った。
奥野は一度辞去してから、忘れ物をしたと嘘をついて舞い戻り、探し回るフリをしてから、強引に初穂を人気のない庭に連れ出した。
そこで優しく慰める体を装い、油断した彼女にいきなりキスをした。
著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン1巻
一は葬儀屋と段取りを打ち合わせ、ふと鯨幕の方に視線をやった。すると、幕がはためいてできた隙間から、初穂とさっきの男子がキスをしているのが見えた。
彼は思わず庭に躍り出て、奥野を殴り倒して怒声を浴びせた。
著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン1巻
奥野は慌てて逃げ出したが怒りは治まらず、自分の母の通夜で男子とキスなどしていた初穂にも一言言わざるを得なかった。
美子の遺影を前にして、ささやかに澄也の誕生日が祝われた。
一はいたたまれずに部屋に戻っていた。
初穂は彼のためにカレーを持ってきて、奥野にもうあんなことはさせないと言いながらそっと彼の手を取り、プルンとした艶めかしい唇に触れさせた。
著者名:松本剛 引用元:ロッタレイン1巻
感想
ロッタレイン1巻でした。
面白度☆8 妖艶度☆8
小説にできそうな人間模様と容赦ない日常劇でした。
蠱惑的な初穂に一は惹かれているようですが、それは色々一気に失ってしまって弱っているからなのだと思いたいですね。
どうかコンビニお姉さんとねんごろになって欲しい。




































