
インフェクション81話
ネタバレ感想
蓮華に疑われた晴輝は脅しのネタを作られてしまったが、逆に彼女の恋心を利用してそのネタを逆手に取り、脅し合う関係になった。
トラブル続きの避難生活で、今度は凶報が届く。
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81話 醒めない悪夢
小鳥はパンデミックが起きる前の平穏だった日常を夢に見ていた。
いや、表面上が平和だっただけで、心の中は行き場のない悲しみが渦巻いていた。
珍しく台所に立っていた小鳥は、妹と自分の分のハンバーグが焼けるのを待っていた。
ちひろは父の帰りがいつなのか気になって仕方なく、ひょっこり顔を出して小鳥に訊いてくる。それに彼女は遅くなると返しつつ、危ないから入ってきちゃだめだと注意した。
そのタイミングでセットしていたアラームが鳴り、すぐにフライパンに乗せていた蓋を取った。
そこまで見て、小鳥はこれがあの時の夢だと気付いた。
母が亡くなってすぐ、父は娘たちのためにお手伝いさんを雇い、娘たちの負担を減らしてくれた。
休日には娘たちとの時間を大切にし、母がいない寂しさを紛らわせるように幸せな日々を送っていた。
その日に作ったハンバーグはうさぎの形をした母の得意料理で、それを作ったのは自分のためだと小鳥は今なら分かっていた。
妹のちひろが悲しい顔も見せずに毎日元気に過ごしているのは嬉しい半面、自分と一緒に悲しみを共有して欲しくて、母を思い出させる料理を作って出したのだ。
そのハンバーグは見た目こそうまくできたが、中まで火が通らず食べられたものではなかった。
それなのに、ちひろはおいしいと言って笑顔を見せてくれ、小鳥は自分の我がままに巻き込もうとした事を心から悔いた。
妹が頼れるいい姉になろう。
そう決めた日の一幕が終わった時、場面が変わってあの平岡大学になった。
服装が今と同じ制服のセーラー服に変わり、ちひろが叫ぶ声がすぐ傍でした。
ちひろは保菌者に変わってしまった二人の大学職員に捕まり、手を伸ばして助けを求めている。小鳥は女性の方の保菌者に膝蹴りを食らわせ、何とか退けた。
椅子を持ち、ちひろを掴んで話さない男の保菌者に何度も振り下ろしたが放してくれず、小鳥も腕を掴まれてしまい腰が引けてその場で尻餅をついてしまった。
そしてちひろは首を噛まれた。
噛まれたら死ぬか保菌者になる。それは100%だ。
でもちひろはまだ噛まれた痛みに叫び、助けを求めている。
いい姉になると決めた小鳥は助けたかったが、二人がかりで肉を食いちぎり始めた場所に飛び込んでいく勇気は出ず、妹を諦めて戸棚の中で徐々に小さくなっていく悲鳴を聞き続けた。
そこで悪夢から目覚めた。
と思ったが、なぜか被っていた布団が血塗れになっていて、中からくちゃくちゃと何かを噛みしだく音が聞こえてくる。
恐る恐る布団を捲ってみると、保菌者になり目や鼻から蛆虫を撒き散らすちひろが、小鳥の腹を引き裂いてソーセージのような内臓を食べていた。
しかも、意識はまだちひろのまま保っているようだった。
小鳥は悲鳴を上げ逃げようと身じろぎした。そのせいで内臓が外に流れ出し、一瞬で動けなくなっていまいピクピクトと痙攣が始まる。
するとちひろの顔から血と蛆虫が消え、いつもの可愛い顔に戻った。
そして、これでやっと死ねるよ、と優しい笑顔を見せ、小鳥はそれを受け入れようとした。
そこで小鳥は本当に目を覚ました。
子供の中で唯一一緒に残った栄太が焦ったように名前を呼ぶ声で目を覚ましたのだった。
どうやらうなされていたらしく、かなり心配されたようだが、すぐに気持ちを切り替え、朝食の準備を急ごうと声をかけた。
誰よりも早く起き、朝食の下準備を終わらせていないと容赦なく対立する研究者から罵声が飛んだ。
朝食の後は施設内の掃除、それが終わればすぐに昼食の準備をして各部署にまで運ぶ。
その後は夕食の準備が始まるまで休憩がもらえた。
今までは小さな子に気を配りつつ準備しなければならなかったが、二人になれば楽と言うほどでもなく、栄太がいなければきっと一人では手が回りきらなかった。
小鳥が残ってくれた事にお礼を言いつつ、晴輝と一緒に行かなくて良かったのか改めて訊くと、彼は自分が一番年上だから、何でも言ってくださいと健気に強い意思を示してくれた。
小鳥はそれを言葉だけ受け取った。
小鳥が天宮教授の所に行こうと部屋を出ると、榎並が待ち受けていたので嫌悪感がすぐ顔に出た。
教授のところに行くことはバレバレで、小鳥がついてくるなと声を荒げると、榎並はあの半沢教授の娘とは思えないくらい躾ができてないと、また神経を逆撫でしてくる。
榎並にだけは父のことを言われたくなかった小鳥は、お前らのせいで・・・と言い返そうとするが、その後を言葉にできず、逆に自分の名前を出されて、それにも何も言い返せなかった。
榎並は次に栄太の所に行き、ある話を吹き込んだ。
戸惑う彼に、小鳥を助けるためだと答えた。
その頃香里は我が家に戻っていて、自分の頭のなかで組み立てたものを次々と文章にして書き起こし、テンションがマックス状態になっていた。
感想
インフェクション81話でした。
表紙はスポーツの秋シリーズのようですね。次は榎並のバレーだと予想しておきましょう。
榎並が栄太に何を吹き込んだのか、クーデターを予見して研究所内に保菌者を解き放とうとしているのか、逃げる算段を整えているのか、自己犠牲を覚悟しているのか






























