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醜い争い

山小屋では水を配る時間になっていた。

 

安斎が平等に配ろうと集めて置いていた残り3本しかないペットボトルに目を向けると、いつの間にか2本に減っていた。

 

もちろん独りでに消えるわけがなく、誰かが盗んだとしか考えられなかった。

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

田中が早乙女から聞いた情報により、まだ猿はいることが分かっているので、ここで一人にでも自分勝手な行動を取られるわけにはいかなかった。

 

 

誰も名乗り出ないのを見た安斎は八木兄妹に見張りを任せて外に出し、屈強な体を見せ付けるために上着を脱ぎ、荷物検査をすると言い出した。

 

佐藤は女性の荷物まで検査するのはやり過ぎだと反抗した直後、拷問されてボロボロになっていた氷室が喋った。

 

佐藤がペットボトルを盗むところを見ていたと。

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

佐藤は猿の仲間で、ペットボトルはリュックに隠していると叫ぶが、彼女は全くの出鱈目だと怒りを露にして、癪に思いながらもリュックの中を見せて身の潔白を証明しようとした。

 

しかし、なぜかリュックの中にペットボトルが入っていた

 

 

その時、田中の不安そうな顔に気づき、彼が入れたのだと確信して掴みかかった。

 

ずっとリュックの傍にいたのだから田中に違いないと捲し立てるが、安斎は平等にそれぞれの言い分を聞くために、まず疑わしい佐藤を拷問で吐かせるために吊るし上げた

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

ここから醜い争いの始まりだった。

 

 

氷室は佐藤が水を盗むのを見たと叫び、拷問しろと安斎を焚きつける。

 

佐藤はやっていない、嘘つき野郎と氷室を罵る。

 

埒が明かないのを見た安斎は佐藤に拷問しようと近づいたとき、佐藤は藤柴が盗んだんだと矛先を変えた。

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

結局猿の仲間じゃなかった早乙女が隠れてジュースを飲んでいたとチクッたのは藤柴だったが、あの早乙女がそんなことをするとはやはり考えられないから、嘘を吐いたに違いない。だから猿の仲間だと強引に結び付けた。

 

疑いの目を向けられた藤柴が満足に言い返せないでいると、その嘘を吐かせた飯塚が助け舟を出し、藤柴が動くところは見ていないと証言した。

 

 

しかし安斎は完全に疑いを捨てず、藤柴に佐藤を殴れと言ってスコップを渡した。

 

そうしなければ、佐藤とグルになって疑いを分散させようとしたと見なすと言われてしまう。

 

違うと言えば、なら殴れと返され、仕方なく佐藤の額にスコップを振り下ろした。

 

 

できるだけ力を込めずに軽く当てただけだがそれでも血が流れ、佐藤の憤怒の形相に恐れをなしてそれ以上殴ることなどできなかった。

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

次は遠野にスコップが渡され、彼は思いのほか素直に聞き入れて佐藤を見た。

 

その直後、2階に続く階段から猿が下りてきた

 

 

 

鉈を持った猿に室内がパニックに陥る中、安斎は遠野からスコップを奪い取り、鉈を持った猿相手と戦い優勢を保った。

 

 

騒ぎに気づいた八木兄妹が中に入ってきて、本物の猿を見たことにテンションが急上昇した直後、妹の薫の左胸を刃が貫いた

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

入り口から、槍を持った猿がもう一匹入ってきた

 

 

 

誰も佐藤の縄を解かず、我先にと2階に逃げ、足を骨折して動けない黒木が二人目の犠牲者になってしまった

 

 

安斎が距離を保ちながら牽制し、八木兄は妹が事切れた瞬間に叫んだ。

 

二人殺した猿二匹は満足したように、堂々と入り口から出て姿を消した。

 

 

 

鉈を持った最初の一匹だけでも全員でかかれば倒せるはずで、誰も戦おうとしなかったことに激昂した安斎は逃げた全員を殴り飛ばした。

 

誰も助けてくれずに見捨てられた佐藤も怒りを募らせる。

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

しかし縄が解かれる前に、安斎は氷室に詰め寄り司法取引を持ちかけた。

 

猿が一匹じゃないと分かった以上、根本的に対策を見直す必要があり、氷室が知り得る全てを説得力をもって話すなら、これから話すことは警察には言わないと提案し、強引にこの場にいる全員にも納得させた。

 

 

受け入れた氷室は猿の仲間じゃないと前置きしてから、辻を殺したのは自分だと白状した。

著者名:粂田晃宏 引用元:モンキーピーク4巻

 

 

営業部長である彼は会社の金を私的に流用し、経理の辻にバレて金を要求されていた。だから、猿のせいにできるこの機会に殺したのだった。

昨夜裏口を開けようとしたのは、同じ経理の佐藤が辻から何かを聞いていたらまずいと思い、辻と同じく猿のせいにして殺すつもりだった。

それが未遂に終わったので、今度は水泥棒に仕立て上げ、あわよくば拷問で殺されることを期待した。そして水を盗み彼女のリュックに隠したのは、やはり田中だった。

 

 

佐藤は氷室の不正など知らない、ただの被害者でしかなかった。

 

氷室は全てを白状したが、結局猿の情報は一つもなかった。