誰が見ても、本気を出した真城の方が圧倒的に強かった。
それだけで、ジャスティスメンが正義ではないと観客共が判断するには十分だった。
まだ自分たちが安全な場所にいると勘違いしているのか、手の平を返してジャスティスメンを罵倒し始め、根っからのクズな性根をさらけ出していく。
一人や二人ではなく、ここに集まった全員がどうしようもないクズだった。

こいつらがクズだからこそ、町谷と真城は嬉しそうに眺めていた。
そして、ほぼ勝ちが確定している真城は、今から一度だけどちらに賭けるか選び直してもいいと提案した。
真城が勝つか、ジャスティスメンが勝つか。
もちろん条件があり、それは天を殴った者だけに許された。

檻の中に入れられた天を見て、ジャスティスメンは再び立ち上がり、まだ正義を信じてくれていると思っている観客に向けて、自分が必ず勝つと呼びかけた。
そして、天がもう殴られ始めているのを見た。

42話
ジャスティスメンは自分の勝利を信じ、観客も信じ続けてくれていると思い、力強く立ち上がって勝利を約束すると宣言した。
しかし、もうほとんどジャスティスメンになど注目していなかった。
檻の中に放り込まれた天に群がっていくクズ共。
天が放火の真犯人だろうが、デッドチューブチャンネルのために、多くの殺しを唆したのだろうがそんなことはどうでもよく、真城の方が圧倒的優位と知り、無抵抗の女性を出された条件通りに遠慮なく殴る蹴るしていった。

正義の仮面を被った真の悪にボコボコにされていく天。
地面に倒れても髪を引っ張られて無理やり立ち上がらされると、さすがに我慢できなくなったジャスティスメンがリングを降りて助けに行こうとする。
すると、真城はリングを降りれば逃げたとみなし負けにすると突きつけた。
それでもジャスティスメンは、天を見捨てれば正義ではなくなると言い返す。
しかし、リングの回りにはまだカメラを構えて見守っているクズ共がそれなりの数残っていた。
そいつらを見捨てるか、天に耐えてもらうかの問いに雄叫びをあげたジャスティスメンは、真城に襲いかかった。

覚悟を決めたジャスティスメンは真城と拮抗した殴り合いを演じて見せた。
しかし、隙間を縫って天が殴られている鈍い音が聞こえているのか、一撃に大したパワーがなく、真城を倒すには不十分だった。
そして羽交い絞めにされて無防備な状態で殴られ続けていた天の、アバラが折れる音が響いた。

だがクズ共は骨が折れようが血反吐を吐こうが気にせず、一人で何発も次々とぶん殴り続けた。
痛みに耐え切れなくなった天は、ついに泣き言を漏らし始めた。
確かに聞こえたジャスティスメンは心配になって動きを止め振り返り、隙だらけになったところを真城に容赦なく殴りつけられた。

一度泣き言を漏らした天は、殴られる度悲痛な声を上げ始めた。
顔も体中も血で真っ赤に染まり、ボコボコにされた顔は原型を失っていた。
従姉の助けを求める悲鳴に集中していられなくなったジャスティスメンの攻撃は精彩を欠き、全く当たらなくなった。
最早真城が本気で戦うレベルではなくなり、悠々と振り下ろした一撃が脳天を凹ませ、再びダウンを奪った。




































