結局誰もリングに上がらず、自分たちが争っている姿を見ている視聴者のバカにしたコメントを見てまたバカみたいに怒り出したところで時間切れになった。
ジャスティスメンが走り出したと同時に大爆発が起こり、最後まで醜く争い続けていたクズなデッドチューブ視聴者たちはバラバラな黒焦げになって死んだのだった。
哀れで醜いクズ共に向け、真城は勇気を出した10人は助けるつもりだったと、本音を明かした。
だが、肉が焼ける白煙の中、人生二度目の大火傷を負ったジャスティスメンは膝をついていたがまだしっかりと生きていた。

彼の下には、爆発から守ってもらったらしい天がいた。
仮面が吹き飛び、ついに素顔を晒したジャスティスメンは従姉の天に、10年前の真実を教えて欲しいと言った。
社に火をつけたのか?
罪を隠すために人殺しをさせたのか?
なぜ仮面をくれたのか?
従弟の涙を頬に受けて目を覚ました天は、自分を見下ろす焼け爛れた顔の男が誰か分からなかったのか、質問の答えとも解釈できる酷い言葉を吐きかけた。

ジャスティスメンはより一層大粒の涙を零しながら、愛し合っていたはずの従姉の首に手をかけ、力を込めた。
天の手足がビクビクと痙攣し、じたばたさせて往生際の悪い抵抗を見せる。
しかし彼は力を緩めず、最後の正義を執行して首の骨を折ったのだった。

町谷は彼の正義を最後まで撮り続けたが、股間はピクリとも反応しなかった。
44話
ジャスティスメンこと有村正義は、大量殺人の容疑者として指名手配された。
スクランブル交差点の大量無差別殺人に関東各地での通り魔殺人、そして学校跡地で起きた大量爆殺事件の責任を押し付けられたのだ。
尚、幼少期に顔に大火傷を負ったせいでそれ以降の顔写真がなく、異例の仮面姿が公開された。

結局直接対決は、真城の敗北宣言でジャスティスメンが勝利したが、町谷の動画でチャンネル登録者数を上回り、あの場にいたせいで多くのデッドチューブチャンネル連中が死に、ジャスティスメンチームは最下位に転がり落ち、全ての罪を負わされたのだった。
愛する人を殺され、自身も殺されかけた水野はジャスティスメンの無様な幕引きにほくそ笑み、天の手の平で転がされていた彼を擁護する三輪の意見を否定した。

今回は関わっていない三輪からすれば、悪を信じたどこまでも純粋で哀れな奴に映り、悪逆非道を実行してきたことを身を持って知っている水野からすれば、ただの無知なバカでしかない。
そもそも、天の最後の酷い言葉も従弟に吹っ切れさせるための優しさの可能性もある。
なんにせよ、有村正義が実際に多くの人間を殺した事実は覆せない。

そう言われた三輪は否定できず、実際に二人の地元に行って調べてきた町谷に、天と正義のどちらの罪が重いと思っているのか訊いた。
町谷が調べて分かったことはこうだった。
何もなく同世代の子供が正義しかいない退屈な田舎で育った天は、急に都会からやってきた一人のヤクザに興味を抱き、自分から近づいて仲良くなっていった。

子供ながらに聡く、好奇心旺盛な天は自分の知らないことを知っているヤクザとの時間が楽しくて仕方なく、大人しかできない色々な遊びを覚えていった。
その結果、誤って火事を起こし、証拠隠滅のためにヤクザを殺したらしいが、天とヤクザに肉体関係があったと考えればもう一つの確率が高そうな可能性が浮かび上がる。
止め処ない好奇心で迫ってくる天に恐怖したヤクザは関係を絶とうとし、天に恨まれて殺害対象にされてしまう。




































