風が吹けば壊れる友情を手に入れたかなえは地方都市にたくさんあるショッピングモールで遊んでから、自主練している寛に会いに行った。
そこには合コンに参加していた無愛想な坊主頭もいたが、意外に気が利くタイプで二人を二人っきりにしてくれる。
それで赤面したかなえを見て、寛はまたキュンキュンさせられてしまう。

かなえは他人を貶めて手に入れた友情をいい感じに話して気分が良くなり、寛も気になる子の笑顔が見られてハッピー。
後日、彼の試合を観に行くことに決まったのだった。
観戦メンバーはかなえを含めたクズ3人と、合コンに参加したイケメン気取りの3人。
かなえはこの3人にさえ自分とは違う輝いたオーラを感じて卑屈になりかけるが、6人に増えたクズ共はかなえが寛といい感じだと分かるや否や、瞬時に態度を変えてきた。

じりじりした暑さの中、超絶不細工が2Lペットボトル3本目に口をつけ始めた時、試合はまだ5回の中盤。
ついに寛チームが先制を許した頃になると、寛がピッチャー交代で出てきても試合をまじめに観ているのはかなえと歯並びがガタガタの男子だけになっていた。

それでも寛はナイスピッチングで抑えていく。
追加点を奪って逆転できる大チャンスを託されたのが、またしても次期エースの寛。
プレッシャーを跳ね除けてヒットを打って逆転の立役者となり、完全に興味を無くしていたクズ共さえ振り向かせた。
しかし、かなえは素直に喜べなかった。

周りの評価で意見を決める人々。
結局、寛ありきで態度をコロコロ変えるクズ共を見て、自分の価値が分からなくなった。
寛の一番大切な人間になれば価値が上がると考えたかなえは試合後の彼を呼び出し、一番になるために不意打ちのベロチューをしようとした。

しかし、ストイックで真面目でウブな彼は吸い付かれる前に体を離した。
それでかなえは、自分にキスされたくなくて拒否られたと思った。
なんでああいうことをしたのか訊かれ、援交しているのを責められたと思い、止まらないヒステリックさを発揮したかなえはちゃんと話も聞かずに怒り、捲し立て、完全にシャットダウンしようとする。

だが、彼が聞きたかったのが、どうしていきなりキスしたのか?だと分かると、思いっきり情緒不安定なのも披露して大人しくなったのだった。
でも、自分でも理由は分からなかった。




































