5巻
ゴブリンチャンピオンは銀等級に引けを取らない危険レベルの相手だった。
彼は隙を見て群れを率いているはずのチャンピオンを一撃で仕留めようとするが、感付かれて逆に強力な一撃を叩き込まれてしまい、オーガ戦に続く瀕死の重傷を負う。
彼が血反吐を吐いたのを見た女神官は気が動転してしまい、プロテクションを解除してしまった。
雪崩れ込むゴブリン。
押し倒されて服を引き裂かれそうになるエルフ。

女神官はまた失禁してチャンピオンに狙われ、肩を食い破られる。
彼女の悲鳴は響き渡り、まだ意識がある彼にも聞こえていた。

目の前の相手で手一杯のドワーフとリザードマン。
まだ満足に動けない彼。
女神官は玩ばれ、エルフはついに半裸にされて犯されかけていた。

女神官は顔を舐め回され、また肉を食いちぎられ、もはや自らどうにかする気力も意思もない。
だが、回復薬を飲んでどうにか動けるようになった彼の反撃で状況が好転したのを機に、男たちは勢いを取り戻していく。
エルフも憎しみを込めてまとわりつくゴブリンを叩き伏せた。

彼は気合だけでチャンピオンに深手を負わせて、群れを退却に追い込んだ。
だが、アドレナリンが切れて落ち着くと、エルフに支えてもらわなければ立てないほど、一番ダメージが酷かった。

結果的に、彼らは全員生きて地上に戻ることができた。
命が危ぶまれていた彼は、穢れない処女の女神官が褥を共にすることで発動する奇跡、リザレクションで命を取り留めていた。
蘇生の儀がどんなものか説明してくれた剣の乙女は、ゴブリンに犯された過去のある自分では起こしえない奇跡だという。
10年も前のこと。
剣の乙女は悲壮感なく打ち明けるが、彼はゴブリンに捕まった女が何をされるのか知っていた。
剣の乙女はぼやける視界で、自分が傷つけられた痕をなぞって見せた。

剣の乙女が自身を怯えるか弱い女だと評して部屋から出て行った後、女神官はようやく目覚めた。
寝ぼけ眼で自分がどこにいるのか見回し、彼を視界に捉えた途端、反射的にシーツで身体を隠した。
彼が見たかどうか確認するが、彼の何を見たのかと、女神官が何を見られたのか気にしたのは意味が違っていた。

そして体調万全に回復させた彼らは、また地下水路へと潜る。
準備と休息、女神官がチェリーを咥えてからリベンジを果たしに潜った地下の奥で見つけたのは、巨大な鏡とそれを守護する大目玉型のモンスターだった。
6巻
強敵の大目玉をリスクが高い方法で仕留めた後、またしてもチャンピオンが襲来。
リベンジの機会を得た今回こそ、彼は全員の力を余すことなく活用し、どうにか全員無事にリベンジを果たした。
しかし、あまりに危険な作戦だったため、エルフに蹴り落とされた。

戦いが終わった後、彼は剣の乙女に真相を訊きに行った。
剣の乙女は正直に全てを白状し、英雄と呼ばれてもゴブリン一匹に怯える少女のままだと明かした。
彼は剣の乙女を個人的な悩みから助けるつもりはなかったが、ゴブリンに関しての危機なら、いつでも駆けつけると約束した。

剣の乙女は幼子のように泣きじゃくり、彼への愛を告白した。
彼らが自分たちの街へ戻っている頃にはもう、勇者が魔神の残党を壊滅させていた。
時期はもう少しで収穫祭。
彼と女神官が久しぶりに二人でのゴブリン退治から戻ってくると、彼との関係を進展させたい受付嬢は勇気を出し、彼に収穫祭の予定を訊ねた。

彼は相変わらず受付嬢の好意には気づいていない様子でまずゴブリン案件だと決めてかかるが、最終的に収穫祭の当日の予定を彼女と過ごすことにした。
7巻
来る収穫祭。
夕暮れの中、彼と手を繋いだ牛飼娘は勇気を出して彼をデートのつもりで誘い、10年ぶりに彼とお祭りに行けることになって大はしゃぎ。

ただ、彼とのお出かけに一喜一憂しても、シーツ一枚のあられもない格好で朝の挨拶をするのは平気だった。
そして収穫祭を恋のチャンスと捉えているのは、一見堅物に見られがちな女騎士もそうだった。
彼女は普段は見せない肌を見せることで、ギャップを狙おうとしていた。

また立場上ほいほいと祭りに出かけられない剣の乙女は、ベッドの上でままならない現実に凹んでいた。
そして彼は乙女たちの想いなど露知らず、仲間たちと共に祭りを彩る天灯とゴブリン対策をこさえた。
彼が深夜に街の近くの林に罠を仕掛けているところに出会ったのが、あの名声高き勇者の一行だった。
剣聖、賢者、そして若き勇者も、街に用があるようだった。

そして収穫祭当日、母の遺品になったとっておきのドレスに身を包んだ牛飼娘は、存分に祭りを楽しみ、彼がなんでもそつなくこなすのを見て、我が事のように誇らしくなれた。
そして、子供の頃の楽しい記憶を思い出してくれた彼が指輪を買ってくれ、薬指にも嵌めてもらえ、夢心地の気分に浸れたのだった。

午後からは、受付嬢が彼とデートする番だった。
受付嬢もさりげなく気合を入れた男受けしそうな服でコーディネートし、待つ時間さえも楽しんでから賑やかな街中を彼の隣で楽しんでいく。

そして最後に、街を一望できるとっておきの場所に彼を案内し、二人で幻想的な天灯が昇る光景を眺めた。
そして真っ白な装束姿の女神官の舞いに心洗われた後、命を狙う刺客に襲われてしまうのだった。
8巻
彼らを襲ったのは、以前昇級審査で不正をし、逆恨みしていたレーアだった。
裏で唆したダークエルフにゴブリン軍団。
託宣を受けた女神官やエルフたちと合流し、彼は自分たちだけでこの賑やかで幸せな時間を守ることにした。
仕掛けていた罠でゴブリンを蹴散らしていき、女神官も前線に出て渾身の力で叩きつけていく。

やがて雨が降り出した頃、満足して帰ったはずの牛飼娘はもっと彼といたかったという我がままな思いがこみ上げた。
その時、ゴブリン退治のために一旦戻って来ていた彼に珍しくご飯のおかずのリクエストをされ、ついさっき芽生えたネガティブな気持ちが一瞬で消え去った。

そして彼は十分に準備を整え、ヘカトンケイルを呼び起こしてその力を得ようとする、混沌のダークエルフを迎え撃った。
強力な攻撃術を繰り出してくる今回の相手には、やはり女神官の役割が肝だった。

エルフの弓矢さえ無効化してくる、攻撃と防御に秀でたダークエルフ。
懐に飛び込んでこそ真価を発揮するリーチの短い彼を嘲笑うダークエルフだが、経験も浅く等級も低い女神官にしてやられることになる。

































