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127話

晴輝は後悔した。

 

この先に待っている未来が分かっていたのなら、当然、高木との関係を友達では無くして、もっと訴えかけていたのにと思った。

 

 

 

高木はあり得ないことを聞いたかのように驚き、怯えているようにも見えた。

 

今日が脱出決行日だと知った高木は青ざめ、本当に今日脱出するのかと、何度も確かめてくる。

 

彼が何度そうだと答えても信じ切れないのかぶつぶつ何事かを漏らし、それでも理解はしたのか、今度は、なぜ保菌者無力化装置が完成しているのかと訊く。

 

なぜと訊かれても、彼に分かることと言えば天才の香里が努力したからとしか言えなかった。

 

続いて高木は、秋保脱出案を提案したのは誰か訊き、彼は正直に自分だと答えた。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

すると高木は、ドハマりした漫才を見たかのようにバカ笑いし始め、意味が分からない彼とガールズを戸惑わせた。

 

 

涙が滲むほど笑った高木は、さっきまでの怯えをどこかに消し去り、奇跡は起きていたんだと口走った。

 

その奇跡を起こしたのが他ならぬ彼と香里だと言うこともさっきの質問で確かめたらしく、それが余計に笑いを誘ったようだった。

 

いや、笑いが治まって落ち着いてくると、天宮兄妹だけでなく、多くの人の影響が積み重なってあの人の計画の段階から知らず知らずのうちに外れていたんだと言い切った。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

まだこの先の段階を知らない彼でも、犯人の想定から外れたと聞かされ、その意味の重大さに驚いた。

 

正確に言えば高木が聞かされていない事態になったということだったが、それがどれほど奇跡的なことなのか理解している高木は、道を外れた瞬間を目撃したかったと答えた。

 

 

ガールズも意見をぶつけ合う中、高木はあの人が既に手を打っているはずだとしても、神ではないあの人を出し抜ける可能性が十分にあることを知り、表情にも余裕と飄々さが戻った。

 

 

犯人の真の目的を阻止できる。

彼はそれが可能なことを確認したが、高木はあくまであの人の革命に賛同している気持ちは変わらないと言いつつ、彼の味方だとも言い、話せることは話すという。

 

その話せることの一つに、なぜ軍事訓練を受けていない自分が銃火器を扱えるかの秘密を暴露した。

 

それは、あの人の科学力によって軍事訓練や実戦の記憶を移植されたからだという。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

俄かには信じがたいとんでもない情報に彼が言葉も出なかった直後、高木はまた表情を変えて何かを感じ取り、あの人が近づいていると言い出した。

 

 

まるで気でも探ったような物言いだったが、彼は素直にその言葉を信じ、早く逃げようと促した。

 

だが急かした高木が急ぎもせず、あの人に勝てそうかどうかと急を要するこの場で訊いてくる。

 

彼も急かし返さず、落ち着いて答えた。

不安はあるが、高木と一緒に戦えるなら絶対に生き残れると。

 

しかし高木はそうではないと否定し、勝つしかないんだと叫んだ。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

あの人に勝たなければ誰一人生き残れはしない、それが嫌なら彼が戦って勝つしかないんだと、まるで他人事のように熱い鼓舞をしてくる。

 

 

高木は熱く高らかに叫び続ける。

 

あの人に賛同しているが晴輝が望む未来と違うと改めて言葉にし、全人類に進化情報を植え付けて革命を起こす計画を阻止するんだと。

 

インフェクションによるレボリューションをと。

著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット