忘れていたもの
担架でくるみを運び出し、トーコたちが見繕ってくれていた車に急行。
学校までの必要最低限の食料も運び込み、美紀がキーを差し込むが、まるで遠足や旅行前に忘れ物がないか気になるような不安に駆られ、なかなか回ってくれない。

それでもゾンビに囲まれる前に意地で回し、臭い車内を気にしながらアクセルを踏み込んだ。
途中でミラー越しの美紀の疲れを察したりーさんが運転交代を申し出た。
外に出て交代する際、美紀は何を忘れているか分からない言い知れない不安に襲われていることを明かした。
それでも熱消毒の時が刻一刻と迫っていることを考えると、最短で向かう他なかった。

途中でヘリが上空に見えても、ゆきもくるみを助けるためには立ち止まらない方がいいと提案し、学園生活部はとにかく前へ前へと急いだ。
それでもヘリに敵わず、屋上に着陸して中から武装部隊が突入していってからしばらくして、懐かしき学校に到着した。
ヘリのせいかゾンビが集まっているの突っ切り、正面玄関に車ごと突っ込んだ。
美紀を先頭に校内にいるゾンビを蹴散らし、ピンチにはゆきも身体を張って助け合い、取りあえず安全な一室に拠点を作って小休止を入れる。

室内がかなり汚れていても、掃除で綺麗にした後の楽しい未来を思い描き、文化祭でやりたいことを捲し立てるゆき。
その時、ずっと被っていた帽子を無くしているのに気づいた。
さっきの体当たりの時に落とした帽子を探しがてら、美紀はくるみや自分たちを救える水を探しに、まず一人で外に出た。

多くの遺志を継ぎ、シャベルを握りしめて水のために容赦なく振るい続ける。
無事にゆきの帽子を拾い、近くのトイレの中の水道を捻ると、なんとかペットボトルに少しの水を手に入れることができた。
後はくるみたちが待っている教室に戻り、飲ませれば目下の目的は達成できる。
希望に満ち溢れた美紀はトイレから出ると、背中を見せているゾンビに忍び寄り、音もなく始末しようとした。
その前に振り替えられると、あまりに無情な姿にさっきまでの強い決意が一気に揺らいでしまった。

同時に、何を忘れていたかを思い出した。
目の前のゾンビだけはさすがに手を下せるほど非情になれなかった美紀はシャベルを落とし、膝をついて謝った。
ゾンビがそんな声を理解できるはずがなく、遠慮なく美紀の首筋に噛みついた。

飛び散る血液、集まる武装部隊、降り出した雨。
しばらくして、ゆきたちの待つ教室のドアがノックされた…
感想
がっこうぐらし!12巻にて完結です。
ここまででおよそ半分ほど、ラストはよくある数年後のエピローグで締められています。
できればアニメでも最後まで観たいので、期待しながら完結にお疲れ様と送りたいと思います。
https://www.kuroneko0920.com/archives/71420



































