イェレナがいう安楽死計画とは、子供が生まれなくなる状態にして緩やかにユミルの民の人口を減らし、巨人がいることで生まれる苦しみを消失させることだった。
老人ばかりの国になるのは避けられないが、そこはやはり地ならしの抑止力を使い、ヒストリアが身籠っている子が死ぬまで、始祖の巨人を受け継いでいく予定だという。
この安楽死計画は、ジークとエレンという偉業を成せる兄弟がいるからこそできることであり、やがて神々のように語り継がれる英雄となるだろうと締め括った。
そこでアルミンは、嗚咽か失笑のような声を漏らした。
イェレナが静かに驚き声をかけると、アルミンは小刻みに震えながら涙を流し、その尊く壮大な話に感動したと答え、彼女を感動させた。

直後、侵入者が現れたという報告で感動の空気が壊された。
車力の巨人の侵入で大騒ぎになっていたが、仲間になったともあっという間に噂が広がり、しかもエレンが先導してピークとガビを屋上に案内しているので、兵士たちは注目するだけで固唾を飲んで見守っていた。
二人を手錠で繋いだエレンは、もし巨人化すればガビが粉々になるだろうと脅すも、ピークは飄々とした笑顔を絶やさず、悪魔だと罵ってきた兵士たちに手を振った。

しかし、ファルコがジークの脊髄液入りのワインを飲んだと聞かされると、ガビは心当たりの場面を思い出してまた冷静さを失いそうになる。
そこでピークは、ずっとジークに抱き続けてきた疑念が確信に変わったのが、4年前にエレンと対峙した時に、ジークが本音の言葉を口走った時だと答えた。
だから、なぜ特殊な能力を持っているのかもエレンに話したはずだと指摘した。

それにエレンが答える前に屋上に着き、待ち構えていたイェレナに、ピークは煽るような皮肉をかけた。
ピークとガビを屋上の端まで歩かせ、仲間の位置を示せと命令するエレンはいつでも巨人化できるように指に傷をつけて臨戦態勢を取った。
ピークは怯えて涙を滲ませるガビの手を強く握って笑顔を向け、振り向いた。
そしてエレンの足元を指差し、「そこ」と示した。
直後、風の音が地響きのような音に被さり、ピークがガビを抱えて走り出したと同時にエレンの足元が崩壊した。

床を食い破った顎の巨人が大口を開けて飛び出し、まさかの事態に対応できなかったエレンに食いついた。
イェレナも予測していなかった襲撃にあっけにとられ、エレンは太ももから下を噛み切られていた。
それでも進撃の巨人になり、反撃の狼煙を上げようとする。
ガリアードに爆風と瓦礫から守られたガビは混乱したまま、ピークに言われて空を仰ぎ見た。
そこには五隻の飛行船がいた。
マーレを信じてないと言ったピークの言葉は本音だったが、苦楽を共にしてきた仲間を裏切ったわけではなかった。
エレンがそうしたように、エルディア人の解放を願うマーレ軍も街中での襲撃を仕掛けてきたのだった。

感想
進撃の巨人115話116話でした。
本当にリヴァイは死んだのか、ハンジが嘘で切り抜けようとしたのか、明らかになるのは次回でしょうか。
ジークの回想とさらにファンタジックな展開の中、アルミンの涙が演技なのか本気なのか。
そして地味に、兵士の中にガリアードが紛れているように見えました。
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