連絡を受けた晶の母もやって来て、二人で医師から脳出血のため助かる見込みは薄いと聞かされた苑子は、自分の夫のことだと信じたくなくて涙を流した。

晶は夢か現か、死を覚悟していると、水中でたゆたっている自分にナイスバディの女性が上からぶつかってくる光景を見た。
その直後、晶は奇跡の生還を果たしたのだった。
ただ、苑子や母親の前にシャキッと立って姿を見せた晶は、顔も体格もかなり変わっていた。
丸みを帯びた顔の輪郭。
華奢になった体つき。
指輪がぶかぶかになるほどほっそりした指。

とにかく生きていることに感謝して母親が縋りつき、手術着がはだけると、多くの女性が羨みそうな胸が飛び出したのだった。
晶は男性なら女性に、女性なら男性に変わる異性化をしていた。

日本でも有名人がカミングアウトするなどして、症例がいくつかあるものの、最新医学でもほぼ何も解明されていない未知の体質変化だった。
晶は取り乱して信じようとしなかったが、自分が知らない事実の方が世の中には多くあると言われれば、何も言い返せなかった。

そして、女として生きていくことを受け入れざるを得なくなり、数日の検査入院を経て女体化した以外は何事もなく退院の運びとなった。
それなのに、夫が女に変わったというのに気丈に頼もしさを見せてくれる苑子に勇気づけられた。
しかし、女性になったことで徐々に心まで女体化していった晶は、今までなんとも思っていなかった雪平にトキメキを感じていく。

そんな矢先、二人きりでの出張が決まったのだった。
感想
個人差あります1巻でした。
面白度☆7 恐ろしい度☆8
異性に変わったのなら、むしろ心まで異性になった方が生きやすくなりそうなのは理解できますが、本来の自分が消えていくのは相当に恐怖な気がします。
日暮さんはやっぱり、男女の機微を捉えた絶妙な匙加減がいいですね。



































