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富くじ七不思議

最近、巷で流れている噂があった。

 

富籤を買った者に訪れる七不思議

 

鳳仙は今日も男女のまぐわいを描きながら、そんな話を男としていたが、女のプライドを傷つけて見事な蟹ばさみで女の柔らかさを思い知らされるのだった。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿3巻

 

 

 

仕事から帰れば長屋仲間の侘助が会うなり早々に、富籤を買って来いなんて言うものだから七不思議の怪に見舞われると思い、足蹴で断った。

 

富籤はそう安いものではない。

 

そこで長屋仲間で金を出し合って一つ買い、神頼みしようというのが侘助を始めとした貧乏人の魂胆だった。

 

その中には家賃の名目で酒代を捻出するため、女の命を売るほどの意気込みを見せて侘助を焚きつけた椿も一枚噛んでいた。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿3巻

 

 

しかし鳳仙は断固として固辞した。

 

すると侘助は理不尽に怒りをぶちまけ、直後に可愛らしい声で兄を諫めて頭を叩く少女が一人。

 

侘助の妹、菖蒲は鳳仙を慕ってはいたが春画師の仕事を貶し、グサグサと痛いところを邪気たっぷりで突きまくって追い詰める気の強い女童で、それも全て、いつか鳳仙が一角の男になると信じて見初めてもらおうと企んでのことだった。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿3巻

 

 

富籤とは寺社が修繕資金等を集めるために行う賭博。

 

富札は一枚一分で売られ、興行主によって違うが配当額が千両に及ぶものもあり、庶民にとってはまさに夢に他ならなかった。

 

 

そして結局菖蒲に心を傷つけられた鳳仙も金を出し、長屋連中で一枚富札を購入したのだった。

 

 

すると瞬く間に、七不思議の噂を証明するかのように3人に不運が舞い込んできた。

 

烏の不気味な鳴き声を皮切りに、稽古中の力士に張り手を食らわされたのが一つ、子犬を撫で回した直後、凶暴な母犬に追いかけられたのが二つ目、全速力で逃げた侘助が喉を潤そうとして飲んだのが金魚鉢の水で三つ目、その茶屋に水代をぼったくられそうになって四つ目、再び逃げた鳳仙が肥溜めに落ちて五つ目。

 

墓場で巨大蜘蛛に襲われるという六つ目の噂を確かめるため、わざわざ夜の墓場に行った3人は本当に巨大蜘蛛を目撃して悲鳴を上げた。

 

しかしそれは月明かりで実体が見えてくると、罰当たりにも墓石に乗って激しく後背位でまぐわっている男女の営みでしかなかった。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿3巻

 

 

 

無事に長屋連中が集まる馴染みの飯屋に辿り着くと、さっそく椿が可能性を秘めた富籤をギラついた目で見つめる。

 

鳳仙はまず七不思議の出所がどこか確かめると、皆口を揃えて椿から聞いたと白状する。

 

つまり椿の目論見は、寺社の儲けなど知ったことではなく、富籤に不穏な噂をつければ購入者が減り、必然的に自分たちが当選する確率が上がると考えてのことだった。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿3巻

 

 

ともあれ、皆の想いを乗せた富籤は神棚に祀られた。

 

 

菖蒲にお酌されて一息ついた鳳仙はその時、まだ見舞われた不思議が六つしかないと思い至った。

 

菖蒲によれば七つ目は、月夜に富籤を持っていれば死ぬだった。

 

 

果たして七つ目の怪に見舞われたのか、一人の男が富籤を奪われた上に刀で惨殺されて発見された。

 

 

巷にも七つ目の怪になぞらえた事件の噂があっという間に流れる中、長屋の住人、貧乏浪人のは副業で鮪の解体をしまくった返り血塗れの姿で噂話に加わり、生臭さでその存在を職人たちに認知されていた。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿3巻

 

 

片や同じ武士でも器用な石蕗は、病に臥せっている妻を持つ心労の男だった。

 

 

長屋連中に集られ富籤代を出して貧乏に拍車をかけている柳はそれでも、馴染みの飯屋でよく見る可憐な花菱を覗き見るだけで生きる活力を得られていた。

 

しかし、神棚に祀っていた富籤がいつの間にか消え失せてしまった

 

当然、日頃の行いや言動から真っ先に椿が疑われるが、彼女は否定し、店主たちも神棚に手を伸ばす不審な者は見なかったという。

 

ともあれ椿は、盗んだ何者かが七つ目の不思議に見舞われることを心配した。

 

実際椿が流した七つ目の噂は、富籤を買うと大切な人を見失うだったが、いつどこでどうなったのか、巷に流れているのは、富籤を持っているものは月夜に死ぬになっている。

 

 

偶然か悪意か…

 

 

その夜も月が綺麗に出た長屋が並ぶ路地。

 

柳の想い人である花菱が富籤を盗んだコソ泥として追い詰められ、何者かによって七つ目の怪になぞらえて殺されようとしていた。

著者名:川下寛次 引用元:当て屋の椿3巻

 

 

感想

当て屋の椿3巻でした。
面白度☆8 縊り度☆8

3巻では尼寺編、富くじ編ともに最後まで描かれて謎が明かされます。

何とも後味が悪い締めでしたが、竜胆は可愛いし、柳や花菱といった新キャラも味があって良かったです。

https://www.kuroneko0920.com/archives/71057