78話
今日は咲川女子学園文化祭の準備期間。
男手が必要だということで、姉妹校の忠たち男子が応援に駆け付けていた。
もちろん彼は知らない仲じゃない先生たちがいる寮を手伝いに行ったのだが、露出たっぷりのメイド服姿で準備していたものだから目のやり場に困った。
喫茶店をすることにした先生たちがメニューを考えていたところ、彼の学校の先生がいきなり入ってきて強引に水着の上にメイド服がいいと提案してゴリ押したらしい。
彼が心当たりの先生を思い浮かべたその頃、噂の葉桜先生は幼馴染みの南條先生を脱がせようとしていた。

圧倒的なコミュ力で栗栖たちから南條の現状を訊き出した葉桜は、水着メイド喫茶に参加させて仲良くさせようと考えたのだ。
言葉では嫌がっても寂しさを感じていることを見抜いていた葉桜。
誰かと仲良くなる資格がないと思い込んでいる南條。
その原因は、12年も前の出来事だった。
葉桜たちと同じ団地に引っ越したばかりの南條は、当時もやはり葉桜の圧倒的なコミュ力のおかげで仲良くなることができていた。
初めての友達に心が浮き立っていた南條は遊びに行くとき、二人が食べたいと言っていたのでわざわざお手製のオレンジタルトを手土産に持参して訪ねた。

もっと仲良くなれるかな、なんて期待して行ってみると、ちょうと葉桜が高橋の服を脱がせているところだった。
この時からメイド服好きだった葉桜は高橋に着せて、オレンジタルトを自分たちで作ろうとしていた。
そう聞いた南條は自分のタルトを出しにくくなって隠しているうちに、自分がメイド服を着せられることになってしまい、あけすけな葉桜に無理やり脱がされた。
しかしこれはこれで、南條は仲良し度合いが深い気がして嬉しかった。

片や準備を押し付けられた幼い高橋は肝心のオレンジがテーブルの下に落ちていることに気づかず焦り、このままではまたおもちゃにされてしまう恐怖に襲われた。
だがベランダの先にオレンジが実っているのに気づき、小さな体で手を伸ばした。
その危険な行為に一早く気づいた南條だったが、下着姿が恥ずかしくて咄嗟に動けないでいるうちに高橋が落ちかけた。
しかし、全裸の葉桜がギリギリで助けたのだった。

こうして仲良くなりたいと思っている相手の命より恥ずかしさを優先した南條は自分を最低な人間だと決めつけ、心を閉ざして引き籠ったのだった。
































