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235話

雅から近づけた唇を拒まず、受け入れた夏生。

 

あの時以来のキスから顔を離し、潤んだ瞳で見つめ合う二人。

 

すると瞬く間に情熱的な頬の火照りが恥ずかしさに変わり、二人は目を見開きながら見つめ合った。

ドメスティックな彼女
著者名:流石景 引用元:少年マガジン2019年30号

 

 

役から素に戻った二人は慌てて距離を取り、またなんだか気まずい空気が流れるが、今度は葛岡の筆おろしを見て興奮して、雅から変な質問をして処女だと白状した際の空気感とは違っていた。

 

 

役に入り切っていたから、思わずキスをした。

 

それは練習の成果が出たということだが、ほぼ素人の夏生に引っ張られた雅は、彼の成長ぶりに戸惑いつつ、唇の感触を確かめた。

 

 

この後ものめり込み過ぎないよう稽古を続け、雅の目から見て問題なく合格ラインに達しているレベルになれた。

 

夏生が付き合ってくれたお礼を言うと、雅は小説を書いていたおかげもあって人物をすぐに掴めたんだと褒め返し、心からの笑顔で喜び、励ました。

 

夏生はその笑顔にトキメイてしまい、なかなか寝付けなかった。

ドメスティックな彼女
著者名:流石景 引用元:少年マガジン2019年30号

 

 

 

翌日、どうにもモヤモヤが消えない夏生は深刻な様子で、水沢に相談を持ちかけた。

 

芝居がノリにノリ、台本にないことまでしてしまうことはあるのか?

 

まさかの質問に水沢は逆に驚き、いくらでもあると即答した。

 

そういう時のためにエチュードもするんだろうと言っても、夏生は自分の感情が役としてのものなのか、自分自身のものなのかよく分からなくなっていると不安を募らせる。

 

水沢は初心な悩みに陥っている夏生を見て、雅が可愛く見えて仕方なく、本物の好意かどうか戸惑っているんだろうとあっさり図星を指した。

 

自分はそういう経験がない水沢は面白がり、芸能人のあるあるみたく付き合ってみたら?と軽く煽った。

 

 

 

やがて陽が落ちた辺りでお風呂の時間になった。

 

 

雅を含めた女子たちがいそいそと脱衣していると、一人が男子のパンツの忘れ物を発見。

 

風呂の設備が違うから日替わりで男湯と女湯が切り替わるややこしさもなんのその、メンズパンツ一枚で軽くはしゃいで風呂場へ入っていく女子たちをよそに、雅は見せる機会のなかった勝負下着を寒々しく見下ろした。

ドメスティックな彼女
著者名:流石景 引用元:少年マガジン2019年30号

 

 

少し遅れて夏生も風呂場へ向かい、役の心情を悶々と考えながら脱衣場のドアを開き、何も考えずに入った。

 

そしてふと横の気配に気づくと、そこにいたのは可愛らしさとセクシーさが同居したランジェリー姿の雅だった。

ドメスティックな彼女
著者名:流石景 引用元:少年マガジン2019年30号

 

 

あまりに当たり前のように入って来たので、雅は驚くこともできずにここは女湯だと指摘し、逆に慌てふためく夏生の口を優しく塞ぎ、単なる間違いで入ったことを理解してあげた。

 

そしてややこしいことにならないよう、さっさと外に押し出そうとしたが、タイミング悪く新たに女子たちが入ってこようとするのとかち合いかけた。

 

だから雅は大胆に、狭いトイレの中に彼を押し込んで自分も一緒に隠れた。

 

 

そして紳士的に背中を向ける彼に見て欲しいと思いながら、何を考えていたのか訊ねた。

 

夏生が役について色々考えていたことを明かすと、雅はこの状況で役の彼ならどうすると質問を重ねる。

 

夏生がその役っぽい答えを返して一笑い取ると、脱衣場から女子たちの気配が消えてくれた。

 

そして雅は出て行く直前に、自分も本気でやるから返して欲しいと頼んだ。

ドメスティックな彼女
著者名:流石景 引用元:少年マガジン2019年30号

 

 

 

その夜、合宿最後の晩餐で部員たちの腹も膨れてきた頃、夏生の演技テストが出し物として上演された。

 

 

酷過ぎる大根役者だった夏生の成長ぶりに息を飲む部員たち。

雅に勝るとも劣らない演技に、目を見張る。

 

全員が没頭して観劇する中、ついにラスト、雅は役にのめり込み過ぎたのか、台本とは違う流れをねじ込んだ

 

その台詞は、雅本人の夏生に対する気持ちを表しているようだった。

 

 

感想

ドメスティックな彼女233話234話235話でした。

陽菜はこのまま姉として身を引くのか、それとも恋する乙女の雅に触発されて独占欲を取り戻すのか?

取りあえず、葛岡の童貞喰いによるパニックを今回も期待します。

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